少林拳王子

『少林拳王子』（原題：少林傳人、英題：Shaolin Prince）は、1982年、ショウ・ブラザーズが製作した香港発の武侠カンフーコメディ映画です。痛快なアクションとユーモラスな演出が融合した、エンターテイメント性豊かな作品として知られています。

物語は、九王爺の反乱によって皇帝が暗殺されたことから始まります。危機を察知した皇帝は、2人の皇子をそれぞれの信頼できる者に託します。

兄の皇子は、玉璽（ぎょくじ）という重要な印籠とともに少林寺へ送られ、そこで厳しい修行に励みます。少林寺の破戒僧3人を師として、カンフーの達人へと成長し、奥義である易筋経を会得します。

一方、弟の皇子は、天王剣という神器とともに、権力者である宰相の元に預けられます。宰相のもとで、宮廷政治の陰謀や策略を目の当たりにしつつ成長していきます。

九王爺は、自らの甥を傀儡の皇帝として擁立し、帝国の支配者として君臨していました。しかし、成長した双子の皇子たちは、それぞれが身につけた武術と知略を駆使し、九王爺の支配に立ち向かいます。

運命の歯車が回り始め、やがて兄弟は協力関係を築きます。兄は少林寺で培った高い武術と精神力、弟は宮廷生活で培った知略と交渉術を武器に、九王爺とその配下を相手に壮絶な戦いを繰り広げます。

本作の見どころは、迫力満点のアクションシーンです。少林拳をベースにした華麗な技の数々は必見で、兄弟の連携プレーも見逃せません。また、物語全体にコメディ要素が散りばめられており、緊張感の中にも笑いを誘う演出が随所に施されています。

監督はタン・チァ、製作はラン・ラン・ショウ、製作総指揮はモナ・フォンと、香港映画界を代表するスタッフ陣が結集しました。脚本は、後の香港映画界を代表する脚本家として知られるウォン・ジン（王晶）が担当しています。撮影はホァン・チェとツォ・ワイケイが担当し、武術指導にはタン・チァ、ホアン・ペイジー、ユン・ワー、ユエン・ブン、リー・ホイサンといった、そうそうたる顔ぶれが名を連ねています。

キャストには、ティ・ロンが兄の皇子道行（タオシン）役、イー・トンシンが弟の皇子五子泰（ツータイ）役で主演を務めています。九王爺役にはパイ・ピョウ、宰相役にはクー・フェンといった、香港映画界を代表するベテラン俳優陣が脇を固めています。アラン・チャンやラウ・ユクポクといった俳優陣も出演しており、豪華な顔ぶれが映画を盛り上げています。

『少林拳王子』は、アクション、コメディ、そして兄弟の絆といった要素が絶妙に絡み合った、娯楽性の高い作品です。香港カンフー映画の魅力を存分に堪能できる、まさに必見の一本と言えるでしょう。

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