尚円王

尚円王（しょうえんおう）

尚円王（しょう えんおう、旧字体：尙圓王）は、15世紀の琉球王国の国王であり、第二尚氏王統の初代国王（在位：1469年 - 1476年）です。 彼の生涯は、激動の時代における琉球の歴史を象徴するものであり、その即位は琉球王国の歴史における重要な転換点となりました。

生涯

即位前

尚円王は、1415年に伊平屋伊是名諸島の伊是名島で、尚稷と瑞雲の長男として生まれました。幼名は思徳金（うみとくがね）といい、後に金丸（かなまる）と名乗りました。幼い頃から父を手伝い農業に励んでいたとされています。しかし、20歳で両親を亡くし、弟とともに苦労を重ねました。

旱魃の際、金丸の田だけが水が枯れなかったことから、村人から盗水の疑いをかけられ、それを不服として24歳の時に妻と弟を連れて伊是名島を離れ、沖縄本島の国頭村へ移り住みました。しかし、よそ者として受け入れられなかったため、首里へ向かい、越来王子の家臣となります。

越来王子の家臣となると、金丸は才能を発揮し、頭角を現しました。1452年には黄冠（親方）に昇進し、高官としての地位を確立しました。その後、尚泰久王が即位すると、1454年に西原間切の内間領主に任命され、自らの領地を持つまでに出世しました。1459年には、御物城御鎖側官（貿易長官）に就任し、王への取次役も兼ねるようになり、尚泰久王からの信頼が厚かったことが伺えます。

しかし、尚泰久王の死後、息子の尚徳王が即位すると、金丸との関係は悪化しました。尚徳王の強引な政策を諫めることもありましたが、尚徳王は聞く耳を持たず、1466年には喜界島への親征を強行するなど、重臣たちの信頼を失っていきました。そして、1468年に金丸は内間村に隠遁しました。

クーデターによる即位

1469年、尚徳王が死去すると、重臣たちはその世子の資質に疑問を抱き、会議を開きました。その結果、金丸を次期国王として推すことが決定し、金丸は首里に迎えられ、尚円王として即位しました。ここに第二尚氏王統が始まりました。

伝承によれば、この時、泊村の老人が神がかりして「財貨を与えてくれる者こそ我が主であり、それは内間金丸様である」と謡い、その言葉に人々は賛同し、金丸を王に推戴したとされています。しかし、このクーデターの背景には、尚徳王の失政に対する重臣たちの不満があったと考えられています。公式の記録には、尚徳王の世子が殺害され、金丸が王に推戴されたと記されており、クーデターであったことは間違いありません。

即位後

即位後、尚円王は天王寺、龍福寺、崇元寺を建立し、琉球王国の発展に貢献しました。また、中国との朝貢貿易においては、進貢間隔を二年一貢とする制度を導入しました。

家族

父：尚稷
母：瑞雲
妃：世添大美御前加那志（童名：宇喜也嘉、号：月光）
長男：尚真（のちの国王）
長女：聞得大君加那志（初代聞得大君）
弟：尚宣威王(第二尚氏二世)
側室：君清らの按司加那志
子：内間大親
側室：まむた親部の妹内間ノロ
子：章氏安谷屋若松
側室：平安山ノロ
子：楊氏山内昌信
兄：大米須親方
兄：上間大親

登場作品

テレビドラマ：琉球放送創立65周年特別番組「尚円王」（2020年）

脚注

注釈
出典

外部リンク

王代記 - 琉球大学附属図書館
* 尚円 - コトバンク

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