尚志会

尚志会（しょうしかい）

尚志会は、日本の教育機関における重要な同窓会であり、その起源は1893年に遡ります。この年、旧制第二高等学校が設立され、その後1949年に東北大学に統合されました。この機関の校友会として活動しているのが尚志会です。

同会の歴史において重要な出来事の一つは、創刊号の『尚志会雑誌』に著名な詩人である土井晩翠の処女作が掲載されたことです。これは、尚志会が文学や文化の発展にも寄与している証でもあります。

由来と設立

尚志会としての樹立は1908年（明治41年）1月6日に行われました。この同窓会は、広島高等師範学校、広島文理科大学、及び広島女子高等師範学校の卒業生が集まる組織であり、教育分野に特化したネットワークを形成しています。2008年には創立100周年を迎え、様々な記念事業が実施されました。これには式典や記念講演会、出版物など多岐にわたる活動が含まれ、同窓生の結束を強める一助となったのです。

教育界における影響力

尚志会は、広島大学の文学部、理学部、教育学部を中心に活動を続けていますが、他の学部でも卒業生が任意で参加できる制度が設けられています。具体的には、工学部や政経学部、総合科学部、生物生産学部の卒業生も尚志会に参加することができます。このようにして、尚志会は広島大学全体に広がる広範なネットワークを持っています。

同窓会の名称は、仁義を重んじた思想を持つ孟子から由来しており、「士たるものは志を高尚にもつべし」という彼の言葉を反映しています。この教えは、尚志会の活動の根幹をなしており、会員たちは学びを通じて自己の志を高め、社会に貢献することを目指しています。

また、尚志会は東京教育大学、現在の筑波大学の同窓会である茗渓会と同様に、教育界において強大な影響を及ぼしています。教育従事者が連携し合い、より良い教育環境を作り上げるための重要な組織となっています。

施設と現在の活動

尚志会の本部は、広島大学が位置する東広島市に移転したものの、広島高等師範学校が設立された際の地である広島市中区東千田町に今も根を下ろしています。この決して忘れ去られることのない場所が、同窓生の連帯感を保つ一因となっています。

茗渓会と異なり、尚志会は私立高校の経営には関与していないため、教育機関の設立を目的とした別の施設を持たない特殊な組織です。

同窓生同士の繋がりを深め、共に成長し合う場を提供する尚志会は、今後も広島の教育界においてその重要性を増していくことでしょう。

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