尼崎東出口

尼崎東出口（あまがさきひがしでぐち）

概要

尼崎東出口は、阪神高速道路3号神戸線に設けられたインターチェンジの一つです。その名称が示す通り、兵庫県尼崎市に位置していますが、高速道路本線との分岐部や構造物の一部は隣接する大阪府大阪市西淀川区にも跨っています。このインターチェンジは、大阪方面から神戸方面へ向かう車両が高速道路を退出するための出口としてのみ機能しており、高速道路へ進入するための入口は設けられていません。このように、特定の方向からの利用のみに限定された構造を持つため、「ハーフインターチェンジ」に分類されます。

施設詳細

尼崎東出口は、阪神高速3号神戸線の3-06という施設番号が付与されています。この出口を利用して高速道路を降りた後、接続する主要な一般道路は国道43号線、通称「第二阪神国道」です。国道43号線は関西地方の主要な幹線道路であり、尼崎市内はもちろんのこと、大阪市や神戸市方面へのアクセスを提供する重要な役割を担っています。出口から国道43号線へスムーズに合流できるよう設計されており、周辺地域への円滑な交通流を確保しています。

入口計画とその廃止の経緯

尼崎東出口には、当初、大阪方面から高速道路へ進入するための入口ランプウェイも併設される計画が存在しました。しかし、この入口設置計画は最終的に実現せず、廃止されました。その背景には、長年にわたり争われた公共事業と地域住民の権利に関する複雑な問題があります。特に、阪神高速道路の建設や交通量の増加に伴う騒音や大気汚染といった環境問題に関して、高速道路が通る大阪市西淀川区の住民らが国や公団（当時）を相手取って提起した「西淀川公害訴訟」が深く関わっています。この訴訟の原告団と阪神高速道路公団との間では、環境対策や補償、そして地域社会への影響軽減策などについて協議が重ねられました。入口設置計画についてもこの交渉の俎上に載せられましたが、双方の合意に至ることができませんでした。結果として、入口設置の計画は2002年度をもって正式に廃止されることが決定しました。この出来事は、大規模公共事業の推進にあたって、地域住民の合意形成や環境問題への配慮がいかに重要であるかを示す事例として語られることがあります。

周辺施設と路外パーキングエリア機能

尼崎東出口の周辺には、多様な店舗が集積する大型商業施設「アマドゥ」があります。この「アマドゥ」は、阪神高速道路の取り組みにより、特別な機能を有しています。それが「路外パーキングエリア（PA）」としての指定です。通常、高速道路のPAは本線上に設置され、高速道路から降りずに休憩や駐車が可能ですが、路外PAは一旦高速道路を退出して利用する形式です。尼崎東出口で高速道路を降りて「アマドゥ」に立ち寄り、休憩や買い物をすることができます。さらに、ETC（自動料金収受システム）を利用しているドライバーに対しては、特典的な措置が講じられています。尼崎東出口で退出した後、「アマドゥ」を利用し、そこから比較的近距離にある隣接の尼崎西出入口（神戸方面への入口）から2時間以内に再び阪神高速道路に進入した場合、料金計算上は尼崎東出口で退出する前の走行と尼崎西出入口から進入した後の走行が「一続きの利用」とみなされ、通し料金が適用される場合があります（ただし、料金体系や利用条件の変更もあり得るため、最新情報は阪神高速道路株式会社の公式サイト等で確認が必要です）。この路外PAの仕組みは、高速道路上のPAの混雑緩和を図るとともに、地域経済の活性化にも貢献することを目的としています。

隣接施設

阪神高速3号神戸線における尼崎東出口の周辺には、以下の施設が配置されています。

大阪方面寄り: 大和田出入口（施設番号 3-05）
神戸方面寄り: 尼崎パーキングエリア（上り線、すなわち大阪方面から神戸方面へ向かう車線のみに設置）
さらに神戸方面寄り: 尼崎西出入口（施設番号 3-07）

尼崎東出口は、尼崎PAの上り線より大阪寄りに位置しており、尼崎西出入口よりも大阪寄りに位置しています。

尼崎東出口