尾崎三良

尾崎三良（おざき さぶろう）について

概要

尾崎三良は1842年に生まれ、1918年に亡くなった日本の官僚であり、男爵として知られています。尾崎家は京都近郊の西院村に由来し、代々里長をつとめる郷士の家系でした。三良は、著名な政治家である尾崎行雄を義理の親に持つなど、様々な影響力のある家族に恵まれました。尾崎の長男が陶磁器研究家の尾崎洵盛、娘は翻訳家のテオドラ尾崎です。

経歴

尾崎は幼少期に両親と死別し、異母兄との関係が険悪だったため、様々な家庭で養子として育ちました。文久元年には江戸に赴き、尊皇攘夷派の公卿である三条実美に仕官しました。この時期、尾崎は尊皇攘夷から開国論に転向し、日本の近代化に向けた意識を強めました。文久2年には、長崎を訪問し、坂本龍馬と絡む大政奉還の策を共に検討しました。

その後、一時的に英国へ留学し、英語を学びオックスフォード大学で法を修得しました。この経験が明治期における尾崎の政治キャリアに大きな影響を与えました。

官僚としての活動

明治6年に帰国した尾崎は太政官に仕官し、法制整備に尽力しました。また、明治23年には貴族院議員に勅選され、法制局長官をつとめるなど、法律関連の重要な役職を歴任しました。彼は急速な欧化政策に反対し、井上馨の条約改正交渉やフランス流民法の導入にも異議を唱えました。

また、明治23年の帝国議会の発足とともに貴族院議員に選出されると、直後の松方内閣で法制局長官に就任しました。彼の政治的立場は、三条実美への忠誠心に基づいており、実美の政治的復権を常に支援していました。

家族

尾崎は二度結婚しました。最初の妻はイギリス人のバサイア・キャサリン・モリソンで、1869年に結婚し、1女をもうけました。結婚生活は長く続きませんでしたが、彼の生活には様々な複雑さが絡んでいました。次に、八重という日本人女性と結婚し、再び家庭を持ちました。

子女についても、英子をはじめとする多様な活躍をする子女たちがいました。英子は慶應義塾幼稚舎での教師として知られ、さらに彼女自身も重要な国際結婚を在日外国人としたことで、家族の繋がりを拡げました。

最後の活動と影響

尾崎は晩年に宮中顧問官として活躍し、文部省維新史料編纂委員などを歴任しました。彼の寄与は日本法律の近代化に大きく貢献し、数々の法改正や新しい制度の導入が進みました。尾崎三良の名は、日本の近代政治史において重要な人物の一人として、記憶され続けています。

評価

尾崎はその生涯を通じて、親の恩を忘れず、政治家としての役割を全うしました。彼の理念や活動は、当時の日本における近代化と国際的なネットワーク構築に寄与しています。多くの辛苦を経験しながらも、尾崎三良は日本の歴史の中で大きな足跡を残した存在となりました。

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