尾崎加寿夫

尾崎加寿夫：日本サッカーの先駆者

尾崎加寿夫（おざき かずお）は、1960年3月7日に東京都で生まれた元サッカー選手であり、解説者としても知られています。彼はフォワードとしてプレーし、日本人選手として奥寺康彦に次ぐ、ブンデスリーガで活躍した選手の一人です。

サッカーキャリアの始まり

尾崎は日本大学高校でのプレーを経て、1978年に三菱重工に入社しました。在学中の1977年には全国高校サッカー選手権に出場し、注目を浴びました。2年目にはユース代表の主将としての役割を担い、ワールドユース選手権に出場しますが、チームは苦戦し一次リーグで敗退します。しかし、この経験は尾崎にとって成長の糧となりました。

代表チームでの活躍

1981年には日本代表に選ばれ、1982年にはジャパンカップに出場。フェイエノールト戦での4得点を含む6得点を挙げ、代表としての地位を確立しました。この活躍により、尾崎は「若大将」と呼ばれるようになり、その名はファンの間で広まりました。

海外挑戦と「尾崎問題」

1983年、尾崎はロス五輪を目指す中で重要なトレーニングとなるジャパンカップを体調不良を理由に欠場。事情がある中で無断で渡独し、ビーレフェルトの練習に参加したことが問題となります。この事態は「尾崎問題」と呼ばれ、大きな波紋を呼びました。しかしサッカー協会は彼を留めたく、尾崎も本場での挑戦を望んでいたため、双方の意見が交錯する形で騒動は収束しました。

ドイツでのプロキャリア

1983年7月に三菱重工を退部すると、尾崎はビーレフェルトとプロ契約を交わし、ブンデスリーガでのキャリアをスタートさせます。プロ初年俸は約1000万円だったと言われています。1983年8月13日、1.FCケルン戦でデビューを果たし、鮮烈な印象を残した尾崎は、その後も多くの試合で活躍しました。

ブンデスリーガでの彼の成績は非常に優秀で、初戦では左サイドからの鋭いドリブルで同点ゴールを決め、チームへの貢献を示しました。また、1983年11月のブレーメン戦では、一時のライバルである奥寺と日本人対決を果たし、こちらも注目を集めましたが、ブレーメンが勝利しました。

復帰と引退

1986年、尾崎はビーレフェルトが降格した後、1988年にはザンクトパウリに移籍。さらに1989年、TuRUデュッセルドルフでのプレーを経て、1990年に古巣の三菱自工に復帰し、1993年にはヴェルディ川崎へ移籍します。リーグ戦では2試合に出場したものの、シーズン終了後に現役を引退しました。彼の日本リーグでの通算成績は78試合出場、20得点、国際Aマッチでは17試合で3得点を記録しています。

尾崎加寿夫の影響

尾崎加寿夫は、自身のプレースタイルや活躍を通じて日本サッカー界に多大な影響を与えました。彼の地域社会での人気やプロとしての意欲は、次世代の選手たちにとっての手本となり、自国のサッカーの発展に寄与しました。サッカー解説者としても活躍する彼の言葉は、今も多くのファンや選手たちに伝えられています。

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