尾崎博

尾崎博の生涯と業績

尾崎博（おざき ひろし、1907年2月1日 - 1994年2月23日）は、日本の古生物学の発展に貢献した著名な学者です。鳥取県鳥取市に生まれ、理学博士として国立科学博物館の地学研究部長や斎藤報恩会自然史博物館の館長を歴任しました。彼は、古生物学の研究にとどまらず、教育や普及活動にも力を入れ、多くの著作を残しました。

経歴の歩み

尾崎は1907年に鳥取県で生まれ、旧制倉吉中学校を卒業後、1924年に満州教育専門学校に進学しました。彼の同級生には後に妻となる女性の兄がいました。1928年には東北帝国大学の理学部に進学し、そこで古生物学を学びました。卒業後の1932年に満州国に戻り、満鉄地質調査所に技師として配属され、地質資源の探査に尽力しました。

1947年に日本に帰国すると、1950年には国立科学博物館で地学課長に就任。1959年には東京教育大学から理学博士の学位を取得し、「Stratigraphical and paleontological studies on the neogene and Pleistocene formations of the Tyosi district」というテーマで研究を行いました。翌1962年には同館の第二研究部長に昇進します。

この時期から、尾崎はNHKの教育番組に出演するようになり、子供向けの図鑑や書籍を多く出版しました。彼はまた、人気映画『ゴジラ』の制作にも関わるなど、古生物学の知識を広めるための様々な試みにも取り組みました。1966年には地学研究部長に就任し、1971年に退官します。退官後も、1974年には中国文化学院の客員教授に就任し、中華学術院から名誉博士の称号を授与されました。

主な著作

尾崎博は非常に多くの著書を持ち、その中には以下のようなものがあります:

• - 『生物の祖先』（伊藤栄子絵、1956年、さ・え・ら書房）
• - 『大むかしのいきもの』（1970年、講談社）
• - 『化石を探る 動物の生きた細く長い道』（1973年、日本放送出版協会 NHKブックス）
• - 『化石は語る 日本列島のおいたち』（1975年、小峰書店 自然科学シリーズ）
• - 『恐竜の時代 大むかしの地球』（1976年、ポプラ社 少年ブックス）

また、彼は共編著や翻訳書も含め、多数の文献を執筆・監修し、特に子供向けの学習図鑑においてもその影響力を発揮しました。これらの活動を通じて、古生物学の重要性や魅力を広く伝え、多くの学習者に影響を与えました。

追悼と評価

尾崎博は1994年に亡くなりましたが、彼の業績は今日の古生物学研究や教育においても生き続けています。彼の遺した書籍や番組は、子どもたちに自然科学への興味を喚起し、研究者たちにとっても重要な指針となっています。特に、彼が推進してきた化石の研究は日本国内外で高く評価されています。尾崎博の貢献は今後も長く語り継がれることでしょう。

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