尾崎行輝

尾崎 行輝について

尾崎行輝（おざき ゆきてる）は、1888年1月14日に東京に生まれ、1964年6月3日に亡くなった日本の政治家であり、飛行機の研究者、パイロットとしても知られる人物です。彼は、父である尾崎行雄の四男として、政治家一家に育ちました。

学歴と初期のキャリア

行輝は、京都帝国大学理科大学に在籍していましたが、学業を中退し、航空の道を追い求めました。彼はライト兄弟に感銘を受け、帝国飛行協会に参加。そこで第一期のパイロット養成生となり、1915年には所沢飛行場から青山練兵場にかけて卒業飛行を行いました。この時の卒業生は行輝と扇野竹次の2名でしたが、扇野は不幸にも事故に見舞われ、行輝が唯一の卒業生となりました。

卒業後、行輝は帝国飛行協会の航空局技師の職に就き、航空技術の発展に貢献しました。また、同年8月には、女性記者の先駆け恩田和子を乗せての飛行を行い、その模様が読売新聞に掲載されました。これにより、彼の航空への情熱と技術力が広く知られるようになりました。

政治活動と後期の人生

1947年には、無所属で第1回参議院議員通常選挙に立候補し、当選を果たしました。その後、1950年には参議院電気通信・内閣委員会連合審査会の理事に就任し、政治家としての活動を続けました。また、1951年からは民間航空の団体「おおとり会」の名誉会長を務めたり、日本航空の取締役にも就任するなど、航空業界でも重要な役割を果たしました。

しかし、選挙での運は必ずしも良好ではありませんでした。1953年には緑風会から参議院議員に立候補しましたが落選。1955年の衆議院議員選挙でも最下位で落選し、政治家としてのキャリアに苦しむ時期もありました。行輝は76歳で亡くなりましたが、その死去に際し、勲三等旭日中綬章が追贈され、従四位に叙されました。

飛行機への情熱

行輝は航空機の設計も行い、自ら設計した飛行機「尾崎式曽我号」で新潟に不時着した経験があります。また、孫文による中国革命のために購入された飛行機の試験飛行を行ったこともあります。これらの経験から、行輝は航空界における先駆者としての地位を築いていきました。

家族と影響

行輝の家族もまた、航空や報道など多様な分野で活躍しました。長男の尾崎行光はパイロット出身で読売新聞の記者となり、二男の尾崎行良もまた飛行機の操縦士としてのキャリアをはじめました。

尾崎行輝はその生命を通じて、日本の航空技術の発展に貢献し、政治家としても重要な役割を果たしました。彼の業績は、今なお航空業界や政治の歴史に名を刻んでいます。

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