尾形典男

尾形典男（おがた のりお）

尾形典男は1915年9月9日に千葉県で生まれ、1990年1月18日に逝去した日本の政治学者です。彼は政治学と政治思想史を専門とし、立教大学名誉教授を務めたほか、第10代および第11代の立教大学総長としても知られています。

学歴と初期の経歴

尾形は1937年に旧制第二高等学校を卒業し、1941年には東京帝国大学法学部の政治学科を卒業しました。卒業後、彼は同じ法学部の助手として働くことになります。その後、短期間海軍に従事し、海軍主計中尉として様々な役職を歴任しました。特に、経理学校の指導官や物資動員計画主務としての任務に従事し、第二次世界大戦の終結を迎えました。1945年に復員した後、彼は東京帝国大学大学院の特別研究生として学びました。

教育者としての貢献

尾形は1946年から教育活動を始め、旧制第二高等学校で講師を務めた後、1947年に北海道帝国大学の法文学部に助教授として迎えられました。1950年には北海道大学法経学部に助教授として招聘され、その後1952年には教授に昇進し、政治思想史を担当しました。1954年には同軍でスラブ研究室の専任研究員として活動しましたが、1957年に健康上の理由から北海道大学を辞職し、共立女子大学の非常勤講師となりました。

1958年、尾形は立教大学の法学部設立に貢献するために招聘され、法学部設置委員会を立ち上げました。1959年からは立教大学法学部の教授として欧州政治思想史と政治原論を教えました。さらに1967年には法学部長として教育管理に関わり、1968年には学校法人立教学院の常務理事にも就任しました。

彼は1975年に立教大学の初の聖公会非信徒の総長に就任し、この役職にある間には法学部の社会人入試を開始するなどの改革を行いました。1982年に総長を辞任し、名誉教授となりました。

著作と研究

尾形の著作には、『近代国家論第3部 近代国家と政治的自由』（1952年）や『議会主義の政治理論』（1987年）といった単著があります。また、彼は政治学の重要な文献の翻訳にも取り組み、H・J・ラスキの『政治学入門』やシェルドンS・ウォーリンの『西欧政治思想史（全5巻）』の訳書が著名です。

最後の years

尾形は1990年に逝去するまで、多くの学生や教育者に影響を与え続けました。彼の追悼文集も出版され、その功績を記念する活動が続けられています。また、立教大学葬が行われ、多くの人々に惜しまれました。彼は立教大学の文学部や日本女子大学の文学部、さらに警察大学校でも非常勤講師として教鞭を執るなど、教育界で多岐にわたって貢献をしてきました。政治学と思想史における彼の業績は、今もなお多くの人々に評価され続けています。

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