尾濃大橋

尾濃大橋

概要

尾濃大橋（びのうおおはし）は、愛知県一宮市と岐阜県羽島市という二つの県境を越え、雄大な木曽川に架けられた重要な橋梁です。この橋は、岐阜県道および愛知県道の主要地方道である193号大垣江南線の一部を構成しており、両地域間の交通、物流、そして人々の交流を支える上で欠かせない存在となっています。

歴史と構造

この橋は、1983年（昭和58年）に供用が開始されました。それまでこの地域における木曽川横断の手段は限られており、尾濃大橋の開通は、周辺住民や産業活動にとって大きな福音となりました。全長は767.5メートル、幅員は10.0メートルを有しており、比較的長大な橋として木曽川を渡ります。

構造形式としては、下路平衡弦ワーレントラス橋が9連連なった特徴的な姿をしています。トラス橋はその部材が三角形を基本として組まれており、特にワーレントラスは斜材を互い違いに配置することで力が効率よく分散される構造です。下路式であるため、車両や歩行者はトラス構造の下部を通過することになります。この堅牢な構造により、長年にわたり地域の交通インフラを支え続けています。

特徴と周辺環境

尾濃大橋の車道は、上下線それぞれ片側1車線の合計2車線で構成されています。これは主要地方道としては比較的シンプルですが、供用開始当時の交通量などを考慮した設計と言えるでしょう。また、歩行者や自転車の安全な通行を確保するため、橋の上流側の片側に独立した歩道が整備されています。

橋の周辺にはいくつかの興味深い点があります。岐阜県側の右岸においては、岐阜県道184号下中笠松線が尾濃大橋の下をくぐる形で交差しています。これはアンダーパスによる立体交差となっており、両県道の交通がスムーズに流れるよう配慮されています。

また、かつて愛知県側の橋の入り口付近には、一時的に高さ制限が設けられていた時期がありました。これは、道路の上方に工場の施設が設置されていたという特殊な事情によるもので、通行する車両、特に大型車にとっては注意が必要な箇所でした。現在ではその状況が解消されているかどうかは定かではありませんが、橋の歴史の一部として語られることがあります。

尾濃大橋は、愛知県一宮市木曽川町玉ノ井と岐阜県羽島市正木町という具体的な地点を結んでおり、地域の地理的なランドマークともなっています。周辺は木曽川の豊かな自然環境に囲まれており、四季折々の景観を楽しむことができます。この橋は単に車両や人が通過する場所であるだけでなく、二つの県、二つの市町を結びつけ、地域の発展に寄与する重要な架け橋としての役割を担っているのです。

地理院地図などの外部情報からも、その正確な位置や周辺の地形を確認することができます。

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