尾灯

尾灯（びとう）について

尾灯は自動車や鉄道車両、自転車、船舶などの後部に設置され、主に後方の交通に対する存在を示すためのランプです。通称テールランプとも呼ばれ、特に自動車の尾灯には赤色の制動灯や橙色の方向指示器などさまざまな種類が統合されていることが一般的です。このような複合機能を持つ灯具は「リヤコンビネーションランプ」として知られています。

自動車の尾灯の機能

自動車の尾灯は、赤色の光を発し、後ろの車両に対して自車の存在を知らせます。特に夜間や悪天候時においては安全運転に不可欠です。点灯は前照灯と連動し、車幅灯がオンになると同時に点灯する必要があります。また、制動灯としての役割もあり、ブレーキをかけた際にはその明るさを5倍にすることが求められています。

加えて、尾灯はリフレクターを備え、他の車両のヘッドランプに照らされると赤く光り、停車時や停止時にも車両の存在を示す役割を果たします。多くの場合、尾灯自体にはLEDや白熱電球が使用され、レンズはプラスチックやその他の材料で作られています。

尾灯の部品構成

尾灯は、光源、反射鏡を含むランプボディ、そしてそれらを覆う色付きのレンズで構成されています。光源にはLEDや白熱電球が使用され、LEDの場合は特に小型化され、デザインの自由度が増しています。日本では、尾灯のバルブ規格はT20とS25の2種類に分類されており、特にT20タイプが主流です。

法令に基づいた規則

日本においては、道路運送車両法に則り、尾灯の色は赤色と定められています。四輪車は片側で2灯、二輪車は1灯または2灯が設置可能であり、灯火の明るさは夜間300メートルの視認性が求められます。また、尾灯は赤色の反射板を付ける義務もあります。

一方で、ヨーロッパやアメリカでは異なる基準があり、例えば欧州ではバックフォグランプの装着が義務です。また、米国には後部方向指示器とブレーキランプの兼用が認められています。

自転車や鉄道の尾灯

一般用の自転車では、交通法規により赤色の反射器材や灯火がつけられますが、尾灯の装着が必須ではありません。特にスポーツ自転車では、LEDを用いた自光式の尾灯が人気ですが、自転車の種類によっては基準が異なります。

鉄道においては、尾灯は後続の車両に存在を伝えるために使用され、主に赤色灯や赤色反射板で構成されます。多くの鉄道車両でLEDを採用した尾灯が見られ、貨物列車では反射板を使うことが一般的です。

航空機や船舶における尾灯

航空機には航行灯が取り付けられ、機体の最後部に設置される白色の灯火が進行方向を示す役割を持っています。船舶においては、夜間に白色光を焚く船尾灯が法律により義務付けられ、衝突防止のために重要です。

現代における尾灯の進化

近年では、LED化が進み、よりデザイン性の高い尾灯が増えています。LEDは、瞬時に最大光量に達する特性があるため、後続車両に対して即座に自車の制動を知らせることができます。このように技術が進化する中で、安全性とデザイン性を両立した尾灯がますます重要視されるようになっています。

尾灯は様々な乗り物において重要な役割を果たしており、それぞれの用途に応じた設計や法令が存在します。

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