尾道市民の歌

尾道市民の歌

「尾道市民の歌」は、広島県尾道市の市民歌であり、1958年に正式に制定されました。この歌は、作詞を武村好郎、作曲を高木東六が担当しています。尾道市では以前から市歌として「尾道市歌」が存在していましたが、戦後もその歌詞が改訂されつつ歴史を刻んできました。ですが、市制60周年を迎えるにあたり、旧市歌の役割を引き継ぐ形で新たな市民歌が誕生することとなったのです。

歴史的背景

尾道市歌が初めて制定されたのは1937年（昭和12年）のことで，当時の作詞者である二宮苔石と作曲者の鈴木哲夫によって作られました。市民に親しまれていたこの歌は、戦後も引き続き歌われてきたものの、時代の流れや市の発展を反映した新しい歌が求められるようになりました。そこで、1958年に制定された「尾道市民の歌」は、その役目を引き継ぐ形で市民へ広く歌われることとなったのです。

新市歌の作詞を担当した武村好郎は、当時読売新聞の尾道通信部で記者として働いており、その感性を活かして地域の魅力や市民の誇りを歌詞に込めました。また、彼は1963年には別の町の町民歌でも詩が評価されるなど、幅広い活動をしていました。作曲を担当した高木東六もまた、音楽界での実績を積んでおり、二人のコラボレーションが見事に実を結びました。

歌詞の収録と公演

「尾道市民の歌」の歌詞は1986年に刊行された『尾道のわらべうた』という本にも収録されていますが、残念ながら尾道市の公式サイトには現在も詳しい情報が掲載されていないという現状があります。また、2012年には『全国 都道府県の歌・市の歌』という書籍にも載せられず、知名度の点ではまだまだ課題が残るのかもしれません。

にもかかわらず、この歌は2018年に尾道市が市制120周年を迎えた際の記念式典で斉唱され、地域住民に愛され続けていることを示しています。尾道市民の歌は、単なる公式な歌という枠を超え、地域の歴史や文化を反映した大切な作品と言えるでしょう。

関連する楽曲

尾道市民の歌と関連する他の楽曲としては、2006年に尾道市に編入合併された旧因島市の市歌や、広島県内のさまざまな市町村に存在する市町村歌一覧が挙げられます。これらの歌もまた、それぞれの地域のアイデンティティを反映し、住民たちの心に根付いています。尾道市民の歌が今後どのように地域社会に活かされていくのか、注目したいところです。

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