屋島登山鉄道

屋島登山鉄道株式会社は、香川県高松市に本社を置き、屋島ケーブルを運営していた鉄道会社です。高松琴平電気鉄道の系列会社として、屋島への観光客輸送に貢献してきました。

歴史

屋島登山鉄道は、戦前には屋島登山口から高松市内への平坦線の免許を保有していましたが、この計画は実現せず、免許は失効しました。

1927年11月24日に会社が設立され、1929年4月21日には屋島神社前駅と屋島南嶺駅間が開業しました。しかし、1944年2月11日に太平洋戦争の影響により休止を余儀なくされました。戦後の1950年4月16日には、駅名を屋島登山口駅と屋島山上駅に改称し、営業を再開しました。

2004年10月16日に営業を休止し、2005年8月31日には屋島登山口駅 - 屋島山上駅間が廃止されました。その後、2006年7月20日には法人格が消滅しました。

廃線の経緯

2001年に親会社である高松琴平電気鉄道が経営破綻し、民事再生法を適用したことが、屋島登山鉄道の経営に大きな影響を与えました。単独経営を続けていたものの、利用客の減少により資金繰りが悪化し、2004年10月12日には高松地方裁判所に準自己破産を申請しました。10月18日には破産宣告を受け、負債総額は約9億円に達しました。

営業休止の直前には、2004年10月15日の運行を最後に営業休止する予定でしたが、同日早朝の試運転中に電気系統のトラブルが発生し、路線途中で停止しました。修理が試みられましたが間に合わず、営業運転は行われないまま運休となりました。

その後、ケーブルカーの譲渡先を探しましたが、屋島への観光客が減少を続け、施設も老朽化していたため、譲渡先は見つかりませんでした。2005年7月1日に鉄道事業の廃止を届け出て、当初は2006年7月1日を廃止予定日としていましたが、2005年8月22日に廃止予定日を繰り上げ、2005年8月31日に廃止となりました。

2006年7月20日には破産手続きが完了し、屋島登山鉄道は完全に消滅しました。

路線

* 屋島ケーブル

屋島登山鉄道の歴史は、屋島という観光地の盛衰とともに、地方鉄道の厳しい現状を物語っています。しかし、かつては多くの人々を屋島山上に運び、地域の足として活躍したその記憶は、今もなお人々の心に残っています。

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