屋根裏 (ライブハウス)

ライブハウスの伝説：屋根裏の歴史

東京の音楽シーンを語る上で欠かせない存在、ライブハウス『屋根裏』。その歴史は1975年、渋谷の喧騒の中、センター街と西武百貨店の間にその幕を開けました。

初期の渋谷店では、日本のロックシーンを代表する数々のアーティストがステージに立ちました。浜田省吾、THE BLUE HEARTS|THE_BLUE_HEARTS、KENZI & THE TRIPS、BARBEE BOYS、レピッシュといった、今なお多くのファンを魅了するアーティストたちが、ここでキャリアの重要な一歩を踏み出したのです。中でもRCサクセションは、1980年に4日間にわたる公演を行い、屋根裏の歴史に燦然と輝く最高動員記録を打ち立てました。

しかし、時の流れと共に渋谷の店舗は1986年8月31日、その歴史に幕を閉じます。そして、新たな地として選ばれたのは下北沢。この移転によって、屋根裏は第二章へと突入しました。

下北沢に移転後も、屋根裏は多くのアーティストに愛され続けました。X JAPAN、thee michelle gun elephant、ゆらゆら帝国、Syrup 16g、SNAIL RAMP、スキップカウズ、神聖かまってちゃんなど、後の音楽シーンを彩る様々なアーティストたちが、このステージで熱狂的なライブを繰り広げました。渋谷時代とは異なる新たな伝説が、下北沢で刻まれていったのです。

単なるライブハウスとしてだけでなく、下北沢屋根裏は練習スタジオやレコーディングスタジオも併設。アーティストの活動を多角的にサポートする、ミュージシャンにとってかけがえのない存在でした。

1997年には、渋谷に『渋谷屋根裏』が復活オープン。渋谷パルコパート3近くに位置し、新たな音楽の聖地として期待されましたが、2013年6月1日の公演を最後に営業を休止。そして2015年3月には、下北沢屋根裏もその歴史に幕を閉じました。

多くの思い出が刻まれた屋根裏は、日本の音楽史に大きな足跡を残しました。その歴史は、多くのアーティストの成功と成長を支え、音楽ファンにとってかけがえのない空間でした。

関連施設と書籍

屋根裏は、アンティノック・グループに属しており、高円寺20000V、新宿アンティノック、高円寺GEARといった系列店も、日本の音楽シーンに貢献しています。これらのライブハウスは、それぞれ独自の個性と魅力を持ち、多くのアーティストを育んできました。

また、神山典士氏と池畑ユミ氏による共著『屋根裏のユミさんとRCと』は、屋根裏の歴史と音楽シーンとの関わりを深く掘り下げた貴重な資料となっています。この書籍をフィーチャーしたライブや、歌謡ショーバンド5時から男&シルビアのライブなども話題となり、屋根裏の伝説は今もなお語り継がれています。

屋根裏の未来

残念ながら、両店舗は既に閉鎖されていますが、その歴史と伝説は、多くの音楽ファンの記憶に刻み込まれています。 かつて屋根裏で輝いたアーティストたちの音楽は、これからも聴き継がれ、新たな世代へと受け継がれていくことでしょう。 そして、屋根裏で育まれた音楽の魂は、これからも日本の音楽シーンを豊かに彩り続けるでしょう。

もう一度検索