屏東郡

屏東郡は、日本統治時代の台湾に存在した行政区画の一つで、高雄州に属していました。この郡は、屏東街（現在の屏東市）、長興庄、塩埔庄、高樹庄、里港庄、九塊庄、六亀庄、そして蕃地という1街6庄1蕃地を管轄していました。郡役所は、屏東街に置かれ、行政の中心としての役割を担っていました。

郡域は、現在の屏東県に広がる屏東市、長治郷、麟洛郷、塩埔郷、高樹郷、里港郷、九如郷、三地門郷、霧台郷、瑪家郷、そして高雄市の一部である六亀区、桃源区、茂林区に相当します。この広大な地域を統括していたことがわかります。

しかし、屏東郡の領域は時代とともに変化しました。1932年（昭和7年）には、六亀庄と蕃地の一部（現在の高雄市桃源区と茂林区に該当）が、旗山郡へと編入されました。また、同じく1932年には、蕃地のうち現在の屏東県瑪家郷に当たる地域が、潮州郡に編入されました。これにより、屏東郡の管轄範囲は一部縮小されることになりました。

1933年（昭和8年）には、屏東街が屏東市へと昇格しました。これは、地域が発展し、都市としての機能が充実したことを示しています。この昇格により、屏東街は郡の中心としての地位をさらに強固なものにしました。

屏東郡の歴代首長である郡守には、以下の人物が任命されました。

永田綱明
斎藤透
田丸直之
小島仁三郎
武田駒吉
小山政太郎
矢野栄治
山田竹三郎
北原三男：1940年7月 - 就任
砥上坦：1941年1月 - 就任
* 佐藤才幹：1944年12月16日 - 就任

これらの郡守たちは、それぞれの時代において、屏東郡の行政運営に携わりました。彼らの業績は、屏東郡の歴史を語る上で欠かせないものとなっています。

屏東郡に関する情報は、参考文献として『台湾人士鑑』（興南新聞社 編、1943年）が挙げられます。この文献は、当時の台湾の人物に関する情報をまとめたもので、屏東郡の関係者の情報も含まれています。この資料は、国立台湾大学図書館のサイトで閲覧することができます。

屏東郡は、台湾の歴史において重要な役割を果たした行政区画の一つであり、その歴史は今日の屏東県と高雄市に深く根ざしています。郡域の変化や歴代の首長たちの存在は、この地域の歴史を理解する上で重要な要素となっています。

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