山にのぼる機関車

『山にのぼる機関車（汽車のえほん19）』

『山にのぼる機関車（汽車のえほん19）』は、イギリスのウィルバート・オードリー牧師によって1964年に発表された児童向け絵本シリーズ「汽車のえほん」の第19巻です。日本語訳は1980年にポプラ社からリリースされましたが、2004年に絶版となり、2010年にミニ新装版が登場しました。この本には、特に低学年の児童を対象にした4つの短編が収められており、舞台はカルディー・フェル登山鉄道です。この鉄道とその登場キャラクターは独立した存在であるため、ほかの巻と設定が混同されることはありません。

成立の背景

本作が誕生した背景には、オードリー牧師が1945年から継続的に行っていた鉄道の保存活動があります。このシリーズは毎年1巻ずつ発表され、特にスノードン登山鉄道の支援を目的としたもの訳でもあります。本書では、カルディー登山鉄道の機関車たちが、様々なエピソードで登場し、彼らの魅力的な物語が展開されます。

登場人物

登場キャラクターには、様々な性格の機関車たちが含まれています。メインキャラクターにはドナルドやスカーロイ、サー・ハンデルなどがいて、彼らの個性が物語の進行に影響を与えます。特に、登山鉄道ならではの特徴的なデザインの蒸気機関車が集まっており、その中には冷静沈着なカルディー、やや生意気なゴッドレッド、事故を起こした過去を持つロード・ハリーなどがいます。

機関車たち

機関車たちはすべて蒸気機関車で、スイス製の登山鉄道向けに特化した設計が施されています。これにはラックレールに合わせたピニオン駆動輪の存在や、シリンダーの位置、ボイラーの傾斜などの特殊な特徴があります。また、これらの機関車たちは通常、山の頂を目指すという独自の運行スタイルをもっています。

• - ゴッドレッド（Godred）は、生意気な性格で事故を起こす機関車。
• - アーネスト（Ernest）はカルディーの友達で、過去の交流を思い出します。
• - ウィルフレッド（Wilfred）やカルディー（Culdee）なども、物語の展開に重要な役割を果たします。

収録エピソード

この絵本には次の4つの短編が収められています:
1. 登山鉄道の機関車（Mountain Engine）
2. カルディーのつくりばなし（Bad Look-Out）
3. ロード・ハリーのだっせん（Danger Points）
4. 魔の尾根（Devil's Back）

それぞれの短編では、機関車たちが冒険や課題に直面し、協力して解決しています。特に乗客の安全を第一に考えつつ、時には楽しいエピソードも交えています。

結論

『山にのぼる機関車』は、児童向けに描かれた物語で、鉄道や機関車に興味を持たせる内容で構成されています。登山鉄道のユニークな特徴や、キャラクターたちの個性が光る短編を通じて、読者は冒険と友情のメッセージを受け取ることでしょう。この絵本は、子供たちの想像力を刺激し、鉄道の魅力を伝える貴重な作品として、大切にされています。

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