山の神まんじゅう

山の神まんじゅうの魅力

概要

山の神まんじゅう、別名小牛田まんじゅうは、宮城県の美里町に位置する小牛田町で作られている人気の蒸し饅頭です。その特徴的な白い薄皮と、あっさりとした粒餡が詰まったこの饅頭は、食べる人々に愛され続けています。かつては小牛田駅で幅広く販売されていたこともあり、地域の名物として名を馳せています。現在、山の神まんじゅうは美里町の「村上屋」だけが製造を行っています。

名前の由来

「山の神まんじゅう」という名称は、産神を祀る山神社から由来しています。この由来は、饅頭が地域の伝統と文化に深く根ざしていることを示しています。

歴史

村上屋は明治の時代から関わりを持っており、1900年頃から「山の神まんじゅう」の製造を始めました。当時、小牛田には別の銘柄の饅頭「子持まんじゅう」も存在しており、この饅頭は南小牛田の鳥羽琢治によって作られていました。子持まんじゅうは中にササゲが入っていて、特に「縁起が良い」として人気を集めました。これらの饅頭は、地域の旅行者に愛され、鉄道旅客へのお土産としても人気がありました。

第一次世界大戦前後には、子持まんじゅうの製造が安西想吉に継承され、彼の努力により小牛田駅構内での販売が再開されました。しかし、太平洋戦争が勃発すると、販売は一時的に停止され、製造も中断を余儀なくされました。戦後、村上屋も再びこの饅頭の販売を始め、小牛田名物としての地位を取り戻しました。

歴史を経る中で、山の神まんじゅうと子持まんじゅうは形こそ異なるものの、地域の文化としての一貫性を持っています。現在では村上屋が商標権を保有し、山の神まんじゅうの製造を行っています。

商標の争い

1958年、小牛田ホテルと村上屋はかつての子持まんじゅうを復活させるため、商標権の譲渡を試みましたが、交渉は失敗に終わりました。さらに1959年に山の神まんじゅうの商標権を巡って争いが起こり、最終的には関係者の和解により、1963年からは村上屋、小牛田ホテル、三共糧食、菊水軒の4社で商標権が共同管理されることになりました。この後、村上屋のみが製造を行うようになると、彼らは2005年に「山の神まんじゅう」の商標を申請し、その翌年に登録されました。

宮脇俊三との関わり

紀行作家の宮脇俊三は、1982年に小牛田駅を訪れ、そこで子持まんじゅうを購入しました。彼は著書内にて、旅の中でこの饅頭を楽しんだ様子を描写しています。宮脇の作品によって、山の神まんじゅうの認知度がさらに高まりました。これにより、饅頭は単なる食べ物以上の意味を持つようになり、地域の文化の一部として多くの人に愛され続けています。

結論

山の神まんじゅうは、地域の歴史と文化が織り交ぜられた饅頭であり、その魅力は今もなお多くの人々に引き継がれています。美里町を訪れた際は、この美味しい饅頭をぜひ味わってみてください。

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