山下典子

山下 典子

山下 典子（やました のりこ）氏は、1939年4月5日生まれの日本のエッセイスト、アドバイザー、コメンテイターです。自身の経験に基づいた執筆活動や、様々な分野でのアドバイス、メディアでの発言など、多角的な活動を展開しています。また、ミス日本コンテストの関東大会委員長や、主宰する「山下塾」での指導など、後進の育成や社会貢献にも力を入れています。脚本家として著名なジェームス三木氏の元妻であり、俳優の山下規介氏は彼女の息子です。

生い立ちと初期の経歴

本名は山下憲子。出生地は満洲国三江省です。1955年に岩手県立盛岡商業高等学校に入学し、学業を修めた後、上京して文化服装学院に進みました。この文化服装学院在学中に、後に夫となる脚本家のジェームス三木氏と出会います。二人は1960年3月1日に結婚しました。

ジェームス三木氏との関係と秘書活動

結婚後、山下氏はジェームス三木氏の活動を支えるため、ジェームス三木事務所を設立しました。そして、その事務所において、約20年間にわたり三木氏の秘書として、脚本執筆に関わる事務や対外的な調整など、多忙な業務を担いました。この期間に、二人の間には二男一女が誕生しています。

作家・事業家としての歩み

長年の秘書経験や自身の人生観を踏まえ、作家活動にも着手しました。1988年秋には、ごま書房から『女房学入門』を山下憲子名義で出版しました。この著作では、夫婦関係や女性の生き方について、自身の率直な体験談を交えながら綴っています。

1989年には、自己の事業を本格化させるため、「株式会社クリエイト・トゥルー・オフィス」を設立しました。この会社では、テレビ番組、CM、演劇、コンサート、レコード制作、講演会の企画運営、映画製作など、エンターテインメント分野を中心に幅広い企画制作業務を手がけました。さらに、タレントの育成や、企業向けの新たな企画提案、アドバイザー業務なども積極的に行い、実業家としての顔も持ちました。メディア出演も活発に行い、特にNHK教育テレビの番組『妻と夫の実年時代』では、相川浩アナウンサーと共に約2年間にわたり司会を担当し、視聴者に親しまれました。

『仮面夫婦』出版と法廷での争い

1992年8月24日、山下典子名義で『仮面夫婦』を祥伝社から出版しました。この本の内容は、当時の夫であるジェームス三木氏のプライベートに関するものであり、出版後に大きな波紋を呼びました。

『仮面夫婦』の内容を巡り、ジェームス三木氏は、著書が自身の名誉を傷つけるものであるとして、1993年1月22日に山下氏および出版元の祥伝社に対し、1億3712万9823円もの損害賠償を求める民事訴訟を提起しました。同時に、家庭裁判所へ離婚調停も申し立てられました。民事訴訟は、両者の間で激しい応酬がありましたが、最終的には1994年に山下氏側が500万円を支払う形で和解が成立し、裁判上の決着を見ました。

一方、離婚調停は、主に財産分与などの金銭的な条件で双方が譲らず、長期間にわたり合意に至りませんでした。しかし、約7年に及ぶ協議の末、ようやく2000年2月に離婚が成立しました。

政治活動への参加

多岐にわたる活動を展開する中で、政治分野にも関心を寄せ、選挙に挑戦しました。1995年の第17回参議院議員通常選挙では、さわやか新党の公認候補者として立候補しましたが、残念ながら当選には至りませんでした。その後、2001年の参議院選挙にも、自由連合の比例代表候補として立候補しましたが、再び落選という結果になりました。自由連合においては、党の政策審議会審議委員を務めた経験もあります。

著書

山下典子氏の主な著書は以下の通りです。

『朝は良妻にして』（ながらみ出版） - 山下憲子 名義（歌集）
『女房学入門』（ごま書房） - 山下憲子 名義
『仮面夫婦』（祥伝社） - 山下典子 名義
『夫婦戦争』（現代書林） - 山下典子 名義

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