山下和正

山下 和正（やました かずまさ）

プロフィール

山下和正は1937年2月10日、愛知県名古屋市で生まれた日本の建築家であり、工業デザインにも関心を寄せている。特に古地図のコレクターとしても有名で、岐阜県図書館には彼の名を冠したコレクションが存在する。彼の建築作品は、日本の建築の中で独自の位置を占め、広く評価されている。

学歴とキャリア

山下は1955年に東海高等学校を卒業後、1958年に桑沢デザイン研究所のリビングデザイン科を修了した。続いて、1959年に東京工業大学工学部建築学科を卒業し、日建設計工務東京事務所に入社。その後1964年までそこで勤務した。

彼は1964年に日建設計を休職し、ドイツのシュナイダ・エスレーベン建築事務所で働く。さらに1965年にはロンドン市建築局に勤務し、翌年に帰国。帰国後は再び日建設計工務東京事務所で1969年まで活動を続けた。

1969年には東京造形大学のデザイン学科室内建築専攻の助教授に就任し、1978年までその職にあった。さらに同年、山下和正建築研究室を設立し、1971年にはその名を改めた山下和正建築研究所を設立した。

主な作品とデザイン哲学

彼の作品の中で注目されるのは、数寄屋橋交番の設計だ。このプロジェクトでは、屋根の頂上に取り付けられる予定だったオブジェのアイディアが間に合わず、プレゼンテーション時には代用品として待ち針を用いた。しかし、このシンプルな形状がそのまま採用されてしまうという意外な結果を迎えた。最初は異を唱えようとしたが、シンプルさに感銘を受け、最終的には納得して受け入れた。

この交番は、東京都の文化デザイン事業の一環として、交番のシンボルデザインの先駆けとされている。球体の部分には、「これはデザインである」とわかるように複数の線が施されている。

古地図への情熱

山下はまた、古地図のコレクターとしても知られている。彼の著書『江戸時代 古地図をめぐる』は、その興味を深めることに貢献している。この本は、古地図の文化的背景や歴史を解説するもので、読者に日本の古地図の魅力を伝える一冊となっている。

結論

山下和正の作品や活動は、ただの建築物の設計に留まらず、文化や歴史との深いつながりを持っている。彼のデザイン哲学は、持続可能性やシンプルさを重視しつつ、過去と未来を結びつける架け橋のような役割を果たしている。彼のさまざまな活動や独自の視点が、日本の建築と文化の進化に寄与していることは間違いない。

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