山中幸久

山中幸久の生涯と背景

山中幸久（やまなか ゆきひさ）は、応永11年（1404年）に生まれ、長禄2年1月11日（1458年1月26日）にこの世を去った日本の戦国時代の武将です。通称として「五郎」とも知られ、出雲山中氏の祖先にあたります。彼は尼子氏の家臣として、その一族の中で重要な役割を果たしました。

1. 家族と出自

山中幸久は尼子持久の次男であり、兄には清定がいました。家族関係は複雑で、彼の妻は桜井尾張守為信の娘でした。また、幸久の子供たちには幸秀と幸満がいます。山中氏のルーツは興味深く、戦国時代の激動に翻弄された家族の歴史が色濃く残っています。

2. 兄弟間の対立と没落

幸久は兄の清定を殺害しようとしたことが発覚し、これによって清定からの勘気を受けることとなります。この事件は彼の人生に大きな影響を与え、最終的には出雲国布部にある興福寺に幽閉される結果になりました。55歳で没した彼は、その法名として「大雲寺道真」と呼ばれます。

3. 墓所と伝承

山中幸久の墓所については、島根県安来市広瀬町布部地区にある興福寺の本堂横にある石碑が伝承されていますが、それ以外には詳細はほとんどわかっていません。この点でも、彼の生涯は謎に包まれています。

4. 山中氏の家系の考察

山中氏のルーツについて、後世の創作物である尼子分限帳には山中幸盛が中老衆として描かれています。しかし、一次史料にあたる竹生島奉加帳では、山中三郎兵衛と呼ばれる人物が名を連ねており、この記載順序は「次第不同」とされているものの、山中家の地位は当時それほど高くなかった可能性が考えられます。さらに、佐々木文書にも幸久の存在は見当たらず、宇多源氏ではなく橘姓近江山中氏が尼子氏と共に下向したという説が有力です。

5. 参考文献

山中幸久の生涯を知るために、以下のような文献が参考になります。

• - 妹尾豊三郎『出雲富田城史』、山中鹿介幸盛公顕彰会、1978年
• - 横山正克『尼子氏一門のルーツ』、1985年
• - 米原正義編『山中鹿介のすべて』（新人物往来社）、1989年
• - 藤岡大拙『ふるさと文庫８　山中鹿介紀行』（山陰中央新報社）、1996年

これらの資料をもとに、山中幸久の人生とその家系に迫ることができるでしょう。彼の生涯は、戦国時代の日本における家族間の対立や、武将としての道のりを物語っています。

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