応永

応永元号の時代

応永（おうえい、旧字体：應永）は、日本の元号のひとつで、1394年から1428年までの約35年間にわたる期間を指します。この元号は、明徳の後に始まり、正長の前に幕を下ろしました。この時代の天皇は後小松天皇と称光天皇であり、室町幕府の将軍は足利義満、足利義持、足利義量が在位していました。

応永は日本の元号の中でも昭和、明治に次いで3番目に長いものであり、一世一元の制が導入される以前の元号の中では最も長い期間を表しています。特に応永10年（1398年）から22年（1415年）にかけては、戦乱が治まり「応永の平和」と称される時代が到来しました。

改元の背景

応永元年は明徳5年7月5日（ユリウス暦1394年8月2日）に改元されました。この改元は、当時流行していた疫病（疱瘡）の影響を受けて行われました。その後、応永35年4月27日（ユリウス暦1428年6月10日）に正長へと変わることになります。

元号の選定においては、足利義満が持つ特別な思いが影響を与えました。彼は若い頃から明の文化に魅了されており、改元の際には明の太祖洪武帝の名にちなんで「洪」の字を使う企てをしました。しかし、公家たちは「洪」の字が洪水を連想させるため、反発を受け、「応永」に決定されました。

応永の特徴と重要な出来事

応永の時代において、特に記憶に残るのはその多くの重要な出来事です。1394年12月17日には足利義満が征夷大将軍を辞し、後に足利義持がその役職に就任しました。また、1397年4月16日には鹿苑寺（金閣寺）の上棟式が行われ、文化的な発展の一端を担いました。

1399年には応永の乱が発生し、大内義弘が足利義満に反対し堺で挙兵しました。この反乱は幕府に対する挑戦として重要な事件となりました。さらに、1401年には足利義満によって遣明使が派遣され、日本と明との貿易が始まるきっかけともなりました。

また、1412年には後小松天皇が称光天皇に譲位し、1414年には称光天皇が即位しました。これらの政変は時代の流れを大きく変える出来事でもありました。

さらに、1419年には応永の外寇と呼ばれる李氏朝鮮による対馬攻撃が起こり、国際的な緊張が高まりました。続いて、1420年から1421年にかけて応永の飢饉が発生し、国民に深刻な影響を及ぼしました。

応永の終焉

応永は、1430年（応永35年）に正長に改元されることで幕を下ろします。この期間において、足利義満の強力な統治と文化の発展が促進されましたが、同時に権力抗争や外敵の襲撃といった混乱の兆しも見受けられるものでした。

このように応永の時代は、平和と戦乱が交差した重要な時期であり、室町幕府の権力と文化の発展が長年にわたって続く契機となった時代でもあります。

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