山之内健一

山之内 健一（やまのうち けんいち）氏は、1970年5月31日に鹿児島県鹿屋市で生まれた、日本の元プロ野球選手（内野手）であり、現在は飲食店経営者、そして歌手としても活動しています。

アマチュア時代
福岡第一高校に進学し、野球部で才能を開花させました。3年生だった1988年には、春の選抜大会に続いて夏の甲子園、第70回全国高等学校野球選手権大会に出場。同期のエースであった前田幸長投手と共にチームを牽引し、決勝まで駒を進めました。特に夏の大会では、初戦で2本の本塁打を放つなど打撃でチームに貢献。この活躍の裏には、同校OBである人気ミュージシャン、飛鳥涼氏が差し入れたバットを用いたエピソードも伝えられています。高校時代を通じて放った本塁打は通算48本を数え、その豪快な打撃から「九州のバース」という異名で注目を集めました。なお、高校の2学年下には松元秀一郎氏が在籍していました。

プロ野球選手時代
1988年のプロ野球ドラフト会議において、山之内氏は地元の新球団となる福岡ダイエーホークスから5位指名を受け、プロへの扉を開きました。長年ホークスの主砲を務めた門田博光氏が使用していた背番号「60」を引き継ぐなど、球団からの期待は大きいものでした。入団発表の際には、熱望していた地元球団からの指名に感極まって涙を見せたといいます。
プロ入り後、1990年と1991年にはアメリカのMLB傘下1Aリーグ、サリナス・スパーズに野球留学し、技術向上を目指しました。1990年には念願の一軍初出場も果たしましたが、一軍での出場機会はわずか7試合にとどまりました。その後は主に二軍でのプレーが続き、残念ながらその期待に応えることはできませんでした。1994年オフシーズンにダイエーホークスを退団。現役続行を求め、横浜ベイスターズや阪神タイガースの入団テストに挑みましたが、いずれも契約には至りませんでした。また、球団から勧められた台湾球界でのプレーも視野に入れ、将来的なNPB復帰への意欲を示していましたが、こちらも実現には至りませんでした。

プロ野球選手としての一軍公式戦での記録は以下の通りです。
初出場：1990年10月1日、対日本ハムファイターズ24回戦（東京ドーム）に代打として出場。
初先発出場：1990年10月14日、対オリックス・ブレーブス26回戦（阪急西宮球場）に6番・一塁手として先発出場。

背番号はプロ入りから退団まで一貫して60を着用しました。

引退後の活動
プロ野球選手としてのキャリアを終えた後、1996年にはプロレス団体である新東京プロレスに入団するという異色の経歴を歩みましたが、試合に出場することなく短期間で退団しています。この際の退団理由として、「プロレスの練習はプロ野球のキャンプより楽だ」といった発言が報じられましたが、本人はこれを否定しています。
その後は故郷である鹿児島県に戻り、飲食店を経営する道を選びました。「いざか屋ばーす」という居酒屋を営む傍ら、少年野球の指導にも情熱を注ぎ、次世代の育成に貢献しています。2012年には、地元鹿屋に鹿児島県初の市民球団となる「鹿屋マグマスターズ」を設立する構想を発表するなど、野球への深い関わりを持ち続けています。
さらに近年は、新たな分野に挑戦しています。2023年3月29日には、CDシングル「東京ハーバーライト」（カップリング曲「男と女」）を発売し、歌手としてもデビューを果たしました。多岐にわたる活動を展開し、新たな道を切り拓いています。

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