山内一男

山内一男 (やまのうち かずお)

山内一男は、日本における著名な経済学者であり、特に中国経済の研究において重要な貢献を果たしました。1915年6月19日に広島県で生まれ、2008年3月に逝去しました。彼は東京帝国大学（現・東京大学）を1940年に卒業し、その後南満州鉄道調査部に勤務しました。この経歴を通じて、彼は中国に深い関心を持ち、1957年までの長い期間中国に滞在しました。

彼の学問的なキャリアは1961年に法政大学の教授に就任することで本格化しました。在職中、彼は中国経済の近代化に関する研究を行い、特に文化大革命の影響を探求しました。1986年には定年退任するまで活躍し、その後名誉教授として大学に貢献し続けました。また、1984年から1987年には現代中国学会の代表幹事として、中国研究の発展にも寄与しました。

山内はその研究の中で、多くの著作を残しています。彼の単著には、『中国社会主義経済研究序説 過渡期の経済理論』（1971年）、『中国経済をどうみるか』（1973年）、『現代の中国経済 石油と社会主義建設』（1976年）、『現代中国の経済改革』（1988年）などがあります。これらの著作は、中国経済の動向や社会主義の課題について深く掘り下げており、彼の分析は学界において高く評価されています。

また、彼は多くの共編著にも参加しており、例えば『経済学全集 21 社会主義経済論』（1968年、1982年再版）、『中国経済図説』（1972年）、『岩波講座現代中国 第2巻 中国経済の転換』（1989年）、『中国経済の新局面 改革の軌跡と展望』（1990年）などが挙げられます。これらの仕事は、中国の経済体制の変革や現在の経済状況を理解するための貴重な資料となっています。

山内は、特に文化大革命を礼賛した代表的な立場にあったことでも知られ、彼の見解は賛否のある議論を呼び起こしました。その一方で、彼の研究は中国経済の学問的理解を深めるための重要な基盤を提供しており、中国の経済政策や発展の歴史に光を当てるものとなっています。

彼の死去後も、山内の研究と業績は多くの後進に影響を与え、中国経済学の発展の一翼を担い続けています。学界では彼の業績が引き続き評価され、彼の残した著作は今なお新たな研究の出発点となっていると言えるでしょう。

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