山内清男

山内 清男の業績と生涯

生誕と教育背景

1892年1月2日、東京府東京市下谷区に生まれた山内清男は、国文学者であり国語教師でもある父の影響を受けて育ちました。彼は東京大学に進学し、1922年には人類学科を修了。その後、考古学と人類学の研究を深めます。

初期の関心と考古学の出会い

彼の考古学への興味は1917年に堀之内貝塚で縄文土器を採集したことがきっかけとされています。初めは進化論や思想に関心を持っていましたが、最終的には考古学者としての道を歩むことになります。帝国大学での研究を通じて、社会主義運動にも参加しますが、当局の目に留まり、時には逃亡生活を余儀なくされました。

考古学への貢献

山内は、型式学的研究法や層位学的研究法を使い、縄文土器の年代を決定する手法を確立しました。特に、彼によって全国的な縄文土器の編年が初めて作成され、これにより日本の考古学界における重要な基盤が築かれました。また、彼は「縄文」という名称の由来ともなった縄紋の施行方法についても、実験を通じて解明し、多くの世代の研究者たちに影響を与えました。

主な業績

1937年、彼は先史考古学会を設立し、『先史考古学』を発刊しました。彼の理論は当時の考古学界に大きな影響を与えました。また、『日本先史土器図譜』の発行を通じて、日本各地での土器の分類や年代についての詳細な情報を提供しました。

縄文原体の研究

山内のもう一つの大きな業績は「縄文原体」の研究です。彼は、縄文土器に施すために利用された植物繊維の紐の制作方法を実験し、「縄文」の表面模様の起源に迫りました。これにより、縄文時代の文化理解が深まったのです。

戦後の研究活動

戦後、山内は東京帝国大学の非常勤講師を務めると同時に、縄文時代の始まりに関する研究をさらに進めました。彼は、旧来の考えとは異なる見解を示し、縄文時代の開始時期を3,000年前から、4,500年前に修正しました。これにより、考古学界での論争を引き起こしました。

晩年と功績

1970年に68歳で亡くなるまで、山内は日本考古学界に多大な影響を与え続けました。彼は縄文土器の編年を作成したことで、考古学の発展に寄与しただけでなく、縄文土器を通じて日本の先史時代を理解するための重要な手段を築きました。さらに、彼の提唱した「サケ・マス論」などの研究は、今も考古学の研究対象として注目されています。彼の業績は、後世の研究者たちにとっても大きな道標となることでしょう。

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