山内重直

山内重直（やまうち しげなお）は、江戸時代前期に土佐藩で重きをなした家老であり、土佐山内家の一門に名を連ねます。万治2年（1659年）に、深尾重照の息子としてこの世に生を受けました。

重直の生涯は、藩政における重要な役割を担い、その足跡は多岐にわたります。寛文4年（1665年）には、幕府への証人という重要な役目を担い、江戸へと下向しました。しかし、翌寛文5年（1666年）には、大名の家臣に対する証人制度が廃止されたため、土佐へと帰国しました。この時期、幕府の制度変更が藩の動きに影響を与える様子がうかがえます。

寛文10年（1671年）には、重直は新たに1000石の知行を賜り、その存在感を示します。さらに、寛文12年（1673年）には、山内の名乗りを許され、通称を登之助と改めました。これは、彼が山内家の一員として、より重要な立場に置かれたことを意味します。

延宝5年（1677年）には、重直は家老職に任命され、左後備組の支配も任されました。これは、彼が藩政において重要な役割を担うようになったことを示しています。家老としての彼の仕事は、藩の運営に大きく貢献し、その手腕は高く評価されたことでしょう。

しかし、元禄3年（1690年）4月27日、重直は32歳という若さでこの世を去りました。彼の早すぎる死は、藩にとって大きな損失であったに違いありません。家督は嫡男の規重が相続し、規重の長男である正之助（後の豊敷）は、後に土佐藩の8代藩主となるという、歴史的な役割を果たすことになります。重直の血筋は、土佐藩の歴史に深く刻まれていくことになります。

これらの情報は、東京大学史料編纂所が所蔵する「土佐諸家系図」および「土佐国羣書類従」に拠っています。これらの資料は、当時の土佐藩の様子や、重直の家系について知る上で貴重な情報源となっています。重直の生涯は、短くも波乱に満ちたものでしたが、土佐藩の歴史において重要な位置を占めていると言えるでしょう。

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