山北町 (新潟県)

新潟県山北町：日本海に抱かれた歴史と自然

山北町（さんぽくまち）は、かつて新潟県の最北端に位置し、日本海に面した町でした。2008年4月1日に村上市、荒川町、神林村、朝日村と合併し、現在は村上市の一部となっています。ここでは、かつての山北町の地理、歴史、産業、観光スポットなどを紹介します。

地理：森林と漁村が織りなす風景

山北町は、北は山形県との県境に接し、海沿いには漁村集落が点在していました。町の面積の9割以上を森林が占め、わずかな農地が海岸部や河川流域に広がっていました。大川の河口部、現在のJR府屋駅周辺には街区が形成され、行政や経済の中心地となっていました。

町内には、新保岳や日本国といった山々がそびえ、大川、勝木川、葡萄川などの河川が流れていました。

歴史：山北郷から山北町へ

この地域は古くから山北郷、葡萄山北と呼ばれていました。

1889年4月1日：町村制施行により、黒川俣村、八幡村、大川谷村、中俣村、下海府村が成立。
1955年3月31日：黒川俣村、八幡村、大川谷村、中俣村、下海府村が合併し、山北村が発足。
1965年11月3日：山北村が町制を施行し、山北町となる。
2008年4月1日：村上市、荒川町、神林村、朝日村と合併し、新たに村上市となる。

産業：自然を活かした多様な営み

山北町は、農林漁業を基幹産業としていました。特に、笹川流れなどの観光資源に恵まれ、観光業も盛んでした。また、自然塩や竹炭、羽越しな布などの特産品も生産されていました。林業に関連して、伝統的な焼畑による赤カブ（温海かぶ）栽培も行われていました。

漁業も盛んで、中浜漁港、府屋漁港、寝屋漁港、脇川漁港、桑川漁港の5つの漁港がありました。このうち寝屋漁港は県営でした。

教育：地域に根ざした学び舎

山北町には、山北中学校があり、小学校は統合を経て、さんぽく小学校となりました。

交通：鉄道と道路

合併前時点では、JR羽越本線が沿岸部を南北に走り、桑川駅、今川駅、越後寒川駅、勝木駅、府屋駅が町内にありました。また、新潟交通北（現：新潟交通観光バス）による生活交通確保バスが運行されていました。

道路は、国道7号、国道345号（日本海夕日ライン）が通り、道の駅笹川流れ（JR桑川駅併設）は、地域物産販売所として賑わっていました。

観光名所：自然が織りなす絶景と文化

山北町には、数多くの観光スポットがありました。

笹川流れ：国の名勝天然記念物に指定され、遊覧船からの眺めは圧巻です。
海水浴場：中浜、碁石、寒川など、多くの海水浴場が海岸線に点在していました。
筥堅八幡宮社叢：国の天然記念物。
さんぽく生業の里：羽越しな布の体験施設です。
* 勝木ゆり花温泉：温泉施設で旅の疲れを癒せます。

文化：受け継がれる伝統

山北町には、山北のボタモチ祭り（国の重要無形民俗文化財）や、あく笹巻きなど、独自の文化が息づいていました。

山北町は、村上市と合併し、その名は消えましたが、豊かな自然と歴史、文化は今も村上市の一部として受け継がれています。かつての山北町の風景を思い描きながら、村上市を訪れてみてはいかがでしょうか。

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