山口博史 (作曲家)

山口博史は、日本の著名な作曲家であり、音楽理論家として多大な貢献をしました。国立音楽大学の教授、および東京芸術大学の講師として、後進の育成にも力を注ぎました。なお、同姓同名の漫画家とは別人です。2016年11月5日に逝去されました。彼はノエル・ギャロン賞の受賞者でもあります。

人物

山口博史は立教大学を卒業後、1973年から音楽の都パリへ留学し、パリ音楽院にて和声、フーガ、対位法の各クラスで優秀な成績を収め、首席で卒業しました。1980年に帰国するまでの間、作曲をマリウス・コンスタン、ジャック・カステレードらに師事しました。1976年には、その才能が認められ、ノエル・ギャロン賞を受賞しました。

1980年からは国立音楽大学作曲科の教員として教鞭をとり、後に教授に昇進。2014年度まで34年間、長きにわたり学生たちの指導にあたりました。また、1981年からは東京芸術大学ソルフェージュ科でも講師として教鞭をとりました。

パリ音楽院が和声科などを廃止した後、山口博史は音楽理論の研究に注力し、独自の理論書を執筆しました。特に「厳格対位法第2版パリ音楽院の方式による」、「バッハ様式によるコラール技法課題集と60の範例付き」、「フーガ書法パリ音楽院の方式による」は、東京藝術大学の作曲科試験の教科書として音楽之友社から出版され、現在も広く利用されています。

特筆すべきは、フーガ全般ではなく、パリ音楽院方式の＜学習フーガ＞に特化した書籍を出版した日本で唯一の人物であるという点です。彼の作品には、「オルガンとピアノのための世界の中の私(2010)」などがあります。また、日本ソルフェージュ研究協議会にも所属していました。

主な作品

夏のトリオ～フルート、バソン、ピアノのための～（1995年）
協奏曲～フルート、バソン、ハープと弦楽合奏のための～（1999年）
世界の中の私～オルガンとピアノのために～（2008年）

著書

山口博史：『フーガ書法：パリ音楽院の様式による』（音楽之友社）
山口博史：『厳格対位法』（音楽之友社）
小鍛冶邦隆、林達也、山口博史共著：『バッハの様式によるコラール技法：課題集と60の範例つき』（音楽之友社）

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