山口安憲

山口安憲の経歴と業績

山口安憲（やまぐち やすのり、1887年10月 - 1962年1月22日）は、日本の内務官僚であり、官選県知事を務めた人物です。徳島県に生まれた彼は、父である山口源三郎のもとに育ち、その教育の中で優秀さを発揮しました。さらに、第三高等学校では首席で卒業し、1911年には文官高等試験の行政科に合格しました。

その後、東京帝国大学法科大学の法律学科を卒業し、内務省に入省して香川県の試補としてキャリアをスタートさせます。この初期の職務において、彼は香川県事務官や兵庫県事務官として経験を積み、その後は朝鮮総督府兼関東庁事務官や東京市助役としても活躍しました。これらの役職を通じて、地方行政や復興局において重要な役割を果たしたことが評価されました。

1929年には鹿児島県知事に就任し、地域の発展に貢献する姿勢が注目されましたが、1931年末に予定されていた陸軍大演習において、昭和天皇の来鹿が決定した矢先に腸チフスを患い、急遽、窪田治輔に職務を引き継ぐこととなります。その後、山形県知事に転任し、8月には再び休職に入ります。1932年6月には石川県知事に就任し、特に失業対策に全力を注ぎました。

1934年4月には知事職を辞し、その年のうちに退官し、三井報恩会で常務理事として新たな道を歩み始めました。戦後も、山口は地域社会に貢献するため、中央共同募金協会の理事、東京都社会福祉事業協会の理事長、さらには東京都社会福祉協議会の会長を務め、多方面で活動を続けました。

また、山口の功績は彼が受けた栄典にも示されています。1930年12月5日には、帝都復興記念章が授与され、その業績が認められました。

彼の生涯は、内務官僚としての重要な役割だけでなく、地域社会の発展に寄与する姿勢を通じて、多くの人々に影響を与えました。山口安憲の業績や彼の生き様は、今なお地域行政の在り方や社会福祉に関する議論の中で語られることが多く、彼の名は名将として広く知れ渡っています。

参考文献

• - 歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
• - 秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

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