山口百恵 夢のあとさき

山口百恵 夢のあとさき

『夢のあとさき』は、1980年4月6日から同年10月5日までニッポン放送やNRN各局で放送されたラジオ番組です。この番組のパーソナリティはのちに引退を発表した山口百恵が務め、ソニーが一社提供する『SONY Night Square』として放送されました。

番組開始の背景

番組スタートの約1ヵ月前である1980年3月7日、山口百恵は三浦友和との婚約と、自身の芸能活動を10月で終了することを世間に報告しました。この発表により、彼女のラジオ番組は引退前の6か月間だけの特別なものとして制作されることになりました。1980年6月発行のニッポン放送の番組表には「百恵ちゃん最後のレギュラー番組」として、彼女のラジオ番組が紹介されました。

番組のコンセプト

番組名は、百恵が1978年にリリースしたアルバム『曼珠沙華』に収録されている楽曲のタイトルが基にされています。『夢のあとさき』の基本的なテーマは、山口百恵が過去7年間の芸能活動を振り返る「プレイバック」です。初回放送では、彼女が出演したオーディション番組『スター誕生!』で歌った牧葉ユミの「回転木馬」の音源が流され、リスナーは彼女のデビュー当時の思い出に浸ることができました。

数回の放送では、山口百恵が同期の森昌子、桜田淳子との思い出を語り、共演したドラマや楽曲についての話を展開しました。1980年6月には、三浦友和をゲストに迎え、赤いシリーズの思い出やその頃のエピソードも紹介されるなど、非常に親しみやすい企画が展開されました。

リスナー参加型の企画

また、番組内ではリスナーからの問いかけに応じるコーナーも設けられ、恋愛や交友関係についての悩みに対し、百恵がアドバイスを行う場面もありました。このリスナーとの距離感を大切にした進行が、彼女自身の人柄や魅力を引き立て、多くのリスナーに愛される要素になっていました。

最終回の特別な瞬間

最終回は1980年10月5日であり、ちょうどその日、日本武道館で行われていた山口百恵のファイナルコンサートの日でもありました。番組では、そのコンサート後の生音声が紹介され、百恵自身のラストメッセージが流されました。この瞬間は、彼女の芸能活動における一区切りを象徴する感動的なシーンとなりました。

放送局

本番組は主にニッポン放送を制作局として、日曜日の22:00から22:30の時間帯に放送されました。また、東北放送や東海ラジオ、朝日放送などでも放送されており、地域によって異なる時間で多くのリスナーに親しまれていました。

『夢のあとさき』は、山口百恵の最後のレギュラー番組として特別な意味を持つとともに、彼女の名曲や思い出が詰まった心温まる番組として、今なお多くのファンに記憶されています。

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