山口重信

山口重信（やまぐち しげのぶ）は、江戸時代初期に生きた武将です。父は山口重政、母は小坂雄吉の娘。正室は石川康通（または石川忠義）の娘で、大久保忠隣の養女という出自です。幼名は熊丸、長次郎と名乗っていました。

慶長2年（1597年）に尾張国清洲で生まれ、徳川秀忠に拝謁します。慶長14年（1609年）12月27日には従五位下・伊豆守に叙任されました。しかし、大久保忠隣の養女を正室に迎えたことが、幕府の正式な許可を得ていない縁談とみなされ、慶長18年（1613年）1月6日、父・重政は改易となります。重信も父と共に武蔵国入間郡越生庄の龍穏寺に蟄居を命じられました。

蟄居中の慶長19年（1614年）、大坂冬の陣が勃発。重信は父と共に戦功を立てようと大坂へ向かいますが、箱根の関所で足止めされてしまいます。一旦龍穏寺に戻った重信は、関所を通過しやすい商人に変装し、東山道経由で再び大坂を目指します。しかし、到着した時には既に和議が成立しており、再び龍穏寺へと戻ることとなりました。

翌年の大坂夏の陣では、井伊直孝の軍に属して奮戦。八尾・若江の戦いにおいて、木村重成と激突し、討ち取られて戦死しました。享年26。法名は傑山宗英大雄院と伝わります。

重信の墓は、父・山口重政が建立した龍穏寺（埼玉県入間郡越生町）にあります。短い生涯ながらも、激動の時代を駆け抜けた武将の一人と言えるでしょう。

関連項目:

龍穏寺 (埼玉県入間郡越生町)

出典:

『新訂寛政重修諸家譜18』

もう一度検索