山口重政

山口重政

山口重政（やまぐち しげまさ）は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての武将・大名であり、常陸国牛久藩の初代藩主です。尾張国星崎城主を務めました。家紋は格式高い大内菱を使用しています。

生涯

山口氏は、室町時代から戦国時代にかけて西国で勢力を誇った大内氏の庶流にあたります。その一族は尾張に土着し、織田氏に仕えました。

永禄7年（1564年）、山口盛政の長男として尾張国に生まれました。後に尾張寺部城主・山口重勝の養子となります。

当初は織田信雄の家臣・佐久間正勝に仕え、天正12年（1584年）の小牧・長久手の戦いでは、織田・徳川連合軍の一員として参戦。豊臣秀吉方の滝川一益と大野城で激戦を繰り広げました（蟹江城合戦）。天正14年（1586年）に家督を相続しました。

天正18年（1590年）、主君・織田信雄が豊臣秀吉の駿河国転封を拒否したため改易となり、信雄に従って下野国へ。その後、徳川秀忠に仕え、5000石を賜りました。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、秀忠軍に従い真田昌幸が守る信濃国上田城を攻撃。その戦功により戦後、常陸牛久1万石の大名に封じられました。慶長11年（1606年）には大番頭に任じられています。

しかし、慶長18年（1613年）に大久保忠隣の養女と嫡男・重信が勝手に縁組したことが幕府の不興を買い、改易。武蔵国の龍穏寺に蟄居を命じられました。蟄居中も重政は山口家の再興を諦めず、大坂の陣が勃発すると、徳川家康に対し「豊臣方に内通した後、豊臣秀頼を暗殺する」という大胆な進言を行います。しかし、これは家康に拒否されました。慶長20年（1615年）の大坂夏の陣では、井伊直孝軍に属して若江の戦いで奮戦。しかし、この戦いで長男・重信は木村重成に討ち取られ、弟・重克も戦死するという悲劇に見舞われました。

これらの戦功が認められ、寛永5年（1628年）、常陸牛久で1万5000石の大名として返り咲き、奏者番に任じられました。この時、木村重成の子孫を牛久藩に召し抱えたという伝説も残っています。寛永12年（1635年）9月19日に死去。享年72。

子孫は牛久藩として存続したほか、水戸藩の家臣となった者もいました。

牛久山口氏は代々「弘」を通字として用いましたが、若江の戦いで井伊勢との戦いで戦死した木村重成の妹婿・山口弘定や、関ヶ原の戦いの際に加賀国大聖寺城で戦死したその兄・山口修弘も「弘」を名前に含んでいます。彼らが同族であった場合、木村重成とは間接的な姻戚関係にあったことになります。

人物

江戸幕府における百人組の一つ、根来組の鉄砲師範には牛久藩主・山口重政が任ぜられていたと伝えられています。

系譜

実父: 山口盛政
実母: 岡部正房の娘
養父: 山口重勝
正室: 小坂於奈 ー 小坂雄吉の娘
子女
山口重信（次男） - 生母は於奈（正室）
山口重長（三男）
山口弘隆（四男） - 生母は於奈（正室）
山口重恒（五男）
養女
成瀬正武正室
高木正成正室

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