山口銀行 (大阪)

山口銀行（大阪）

山口銀行は、1933年まで大阪に存在した銀行です。現在の山口県に本店を置く山口銀行とは異なります。

概要

大阪の山口財閥の当主、三代山口吉郎兵衛によって明治12年（1879年）に設立された第百四十八国立銀行が、後に普通銀行へ転換し山口銀行となりました。同行は山口財閥の中心企業として発展しました。

経営の近代化を重視し、高等教育を受けた人材を積極的に採用しました。番頭の越野嘉助の計らいで、日銀幹部ストライキ事件で辞職した町田忠治を迎え入れ、その後も町田の推薦で三菱合資銀行部大阪支店長の坂野兼通、さらに町田と同郷の佐々木駒之助が入行し、それぞれ総理事に就任しました。これにより、経営の近代化が図られました。

大正時代には、官営八幡製鐵所の御用商社から総合財閥へと転換していた岩井商店並びに岩井勝次郎から出資を受け、岩井勝次郎自身も取締役に就任しました。間もなく、住友銀行に次ぐ上方2位の銀行にまで成長しましたが、昭和時代に入ると、昭和金融恐慌の影響を受け、住友銀行などの財閥系大銀行に預金が集中するようになりました。また、当時の軍需産業や重化学工業といった新興産業への資金供給力も十分ではありませんでした。そのため、大蔵省の斡旋により、三十四銀行、鴻池銀行と合併し、1933年（昭和8年）12月9日に三和銀行となりました。現在の三菱UFJ銀行の前身の一つです。旧山口銀行の本店は、三菱UFJ銀行瓦町支店として現存しています。

沿革

1879年：山口家、第百四十八国立銀行を開業。
1898年：山口銀行が開業、第百四十八国立銀行の営業を継承。
1903年：虎屋銀行を買収。
1906年：2月、児山銀行を買収。10月、紀阪貯蓄銀行を買収。
1917年：山口銀行を株式会社に改組、外国為替の取り扱いを開始。
1927年：摂池銀行を買収。
1928年：1月、田口銀行を買収。10月、八坂銀行を買収。
1929年：尼崎共立銀行を買収。
1930年：加島銀行を当行及び鴻池銀行、野村銀行の3行により分割買収。
1933年12月9日：三和銀行が創立（鴻池銀行、三十四銀行、山口銀行の3行が合併）。合併当時の公称資本金は、三十四銀行が5,220万円（払込金3,970万円）、山口銀行が5,000万円（払込金2,750万円）、鴻池銀行が1,000万円（払込金1,000万円）でした。

脚注

関連項目

滴翠美術館
三和銀行
* 山口財閥

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