山名義幸

山名義幸の生涯

南北朝時代に活躍した守護大名、山名義幸（やまな よしゆき）について詳述します。彼は室町幕府の侍所頭人や丹後・出雲・隠岐の守護を務めた人物であり、家族として山名師義の長男であったことが彼の運命を大きく左右しました。義幸は彼の父の亡き後、家督を継承することを辞退したため、歴史の中でいくつかの重要な役割を果たしました。

初期の役割と家督の辞退

義幸は1375年、丹後の守護に任命されますが、翌年に父が亡くなると、健康上の理由から家督の継承を断念しました。これにより、叔父の時義が家督を引き継ぐこととなります。しかし、義幸は1339年には出雲・隠岐の守護職を得て、実質的には三つの国を支配する地位に立つことになるため、彼の指導力は優れたものでした。また、同年には、室町幕府で侍所頭人として中央政界における重要な役割も担っていました。

政治的影響力の増加

義幸は、康暦の政変を背景に伯耆への下向を余儀なくされる頃まで、政治的影響力を維持しました。彼は叔父たちとともに各地の軍事活動にも出陣したものの、年月とともにその体調が影響するようになります。1381年には守護職を辞任し、活動を伯耆において行うようになります。ここで、日野郡に所領を持ったことが彼の居住地に繋がったと考えられ、俣野の土居城をその拠点としたという説も存在します。

その後の系譜

義幸の死後、その子孫は「日野屋形」として名を馳せます。特に子の師幸は伯耆地域の支配を続け、以後の家系は日野郡以外にも広がっていきました。山名一族は戦国時代においても生山城を本拠地とし、様々な戦を経て存続しています。義幸の子孫は、時代の変遷とともに名を変えていく運命を辿りますが、その存在は歴史の中で確実に続いていました。

終焉と影響

義幸の享年や没年は明確には記されていませんが、彼の跡を継いだ一族は日野姓を名乗り、地域の歴史において重要な役割を持ち続けました。特に山名藤幸が討たれた後、養子の日野景幸が家を継ぐことになり、家系はここでも新たな展開を迎えました。

参考文献

• - 鳥取県『鳥取県史 第2巻 中世』（1973年）
• - 宮田靖国編『山名家譜』（六甲出版、1987年）
• - 平凡社地方資料センター編『日本歴史地名大系32 鳥取県の地名』（平凡社、1992年）
• - 新編倉吉市史編集委員会『新編倉吉市史 第二巻 中・近世編』（倉吉市、1995年）
• - 吉田浅雄「伯耆山名一族の城館遺跡」（『山名 第四号』山名史料調査研究会、1998年）

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