康暦

康暦元号の概要

康暦（こうりゃく、康曆）は日本の南北朝時代に設定された元号の一つで、北朝側で使用されました。この元号は、永和から永徳にかけての期間を指し、具体的には1379年から1381年までの約2年間にわたります。この時期、後円融天皇が北朝の天皇として、長慶天皇が南朝を治めていました。また、室町幕府では足利義満が将軍職にあり、政治や軍事において重要な役割を果たしていました。

改元の歴史

康暦の改元は、永和5年3月22日（ユリウス暦1379年4月9日）に行われました。改元の理由として、疫病や兵革の影響が挙げられます。康暦の期間が終了するのは、康暦3年2月24日（ユリウス暦1381年3月20日）で、ここで永徳に改元されました。

当時、改元の決定には室町幕府が大きな影響を及ぼしており、菅原秀長の著作『迎陽記』によると、准三后の二条良基を通じて、元号の設定に関する様々な干渉があったことが記されています。通常、改元は朝廷の権限とされていましたが、この時期は幕府の意向がなければ実行できない状況が生じていたことがわかります。

康暦期の重要な出来事

康暦の最初の年である1379年には、いくつかの重要な出来事が発生しました。特に2月、室町幕府の将軍・足利義満が、土岐頼康に対して追討令を発布しました。3月には、関東管領の上杉憲春が鎌倉公方の足利氏満を諫止しようと自害するという悲劇的な事件が起きます。このように、政治闘争が続く中、同年7月には伊勢貞継が幕府の政所執事に就任しています。

康暦の政変として知られる事件もこの時期に起こりました。義満は幕府管領の細川頼之を罷免し、彼は政権から失脚します。後任には斯波義将が任命されるなど、幕府内での権力の移動が見られます。

1380年には、小山義政による宇都宮基綱の殺害事件が発生し、これを受けて足利氏満が義政に対して追討令を発布しました。この事件を契機に小山義政の乱が勃発するといった、政局がさらに不安定になる事態も表れました。

まとめ

康暦は、日本の元号の中でも特に tumultuous な時期にあたります。南北朝の動乱の中で、政治的権力の変遷やさまざまな社会問題が浮上しました。この元号が示す歴史的背景は、当時の日本社会の複雑さを物語っています。康暦の時代に起こった出来事は、今日においても多くの研究がなされており、歴史を理解する上での重要なキーポイントとなっています。

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