山名誠豊

山名誠豊（やまな のぶとよ）は、明応2年（1493年）に生まれ、大永8年3月14日（1528年4月3日）に亡くなった戦国時代の武将であり、大名です。彼は但馬・備後守護を務めました。父は山名政豊で、兄には常豊、俊豊、致豊がいました。また、養子には兄・致豊の子で甥にあたる祐豊がいます。法名は光明院殿玄峰大通大居士。

生涯

永正9年（1512年）、誠豊は守護代の垣屋氏をはじめとする山名四天王と呼ばれる但馬国人たちに擁立され、但馬・備後守護、つまり山名氏宗家の家督を継承しました。当時の山名氏は、有力な守護代や国人衆の影響力が強く、誠豊も彼らの支持のもとで家督を継いだと考えられます。

大永2年（1522年）には、播磨の浦上氏の内紛に乗じて、誠豊は播磨へ侵攻し、領土拡大を試みました。しかし、翌大永3年（1523年）11月には浦上氏の反撃を受け、敗れて撤退しました。この播磨侵攻は、誠豊の領国経営における積極的な一面を示すものですが、結果的に失敗に終わっています。

誠豊はまた、甥にあたる山名祐豊（前守護である兄・致豊の子）を養子に迎えました。これは、後継者を確保するための措置であったと考えられます。祐豊は後に山名氏の家督を相続し、山名氏の勢力維持に貢献しました。

大永8年（1528年）に誠豊は死去し、祐豊が山名氏の家督を相続しました。誠豊の死後、山名氏は祐豊のもとで新たな時代を迎えることになります。

偏諱を与えた人物

山名誠通（因幡山名氏、のち久通に改名）
和智誠春（備後国人）

誠豊は、家臣や国人衆に偏諱を与えることで、彼らとの関係を強化し、自身の権威を高めようとしたと考えられます。山名誠通や和智誠春といった人物に偏諱を与えたことは、その一例と言えるでしょう。

参考文献

渡邊大門『中世後期山名氏の研究』日本史史料研究会(2010)

関連項目

畿内・近国の戦国時代

山名誠豊は、戦国時代の激動期において、山名氏の家督を継承し、領国の維持・拡大に努めました。播磨侵攻は失敗に終わったものの、養子の祐豊を後継者として指名するなど、山名氏の存続に尽力した人物として評価できます。

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