山室民子

山室民子は、1900年（明治33年）9月18日に東京府で生まれ、1981年（昭和56年）11月14日に生涯を閉じました。彼女は、社会事業家として日本の社会に貢献した人物であり、文部省初の女性視学官としても知られています。また、日本救世軍の大佐補としても活躍しました。

生い立ちと教育

山室民子は、救世軍の創設者である山室軍平と、同じく救世軍で活動した山室機恵子の長女として生まれました。東京市の女子学院で学んだ後、東京女子大学に進学しましたが、病気のため南湖院に入院し、2年間休学しました。その後、東京女子大学を卒業すると、アメリカのカリフォルニア大学へ留学し、国際的な視野を広げました。

救世軍での活動

1937年（昭和12年）9月には、ロンドンの救世軍士官学校に入学し、救世軍での活動を本格的に開始しました。翌年の1938年（昭和13年）には、万国士官学校や万国本営編集部で働き、国際的な活動に携わりました。1939年（昭和14年）に帰国し、日本での活動を再開しました。

婦人運動への参加

1945年（昭和20年）11月、山室民子は、羽仁説子、加藤シヅエ、宮本百合子、佐多稲子、山本杉、赤松常子、松岡洋子らと共に、婦人団体結成に向けた運動を開始しました。準備会を重ねた結果、1946年（昭和21年）3月16日に、「婦人民主クラブ」が神田共立講堂で創立され、初代委員長には松岡洋子が就任しました。この団体は、戦後の女性の権利向上を目指す運動の中心的な役割を担いました。

文部省視学官としての活躍と晩年

救世軍士官学校や救世軍社会部、士官雑誌係などを経て、1954年（昭和29年）2月には『ときのこえ』の編集者となりました。1959年（昭和34年）には大佐補に昇進し、書記長官に任じられました。また、文部省初の女性視学官としても活躍しました。さらに、国際基督教大学評議員や東京女子大学理事も務め、教育分野にも貢献しました。1962年（昭和37年）に引退した後も、救世軍本部付として活動を続けました。山室民子の墓所は多磨霊園にあります。

著書

山室民子は、以下の著作を残しています。

聖書ものがたり
聖地ものがたり
聖地に咲いた花

論文

山室民子の論文は、CiNiiで検索可能です。

参考文献

『航路二十年―婦人民主クラブの記録』婦人民主クラブ、1967年11月1日。
婦選会館調査出版部 編『全国組織婦人団体名簿』財団法人婦選会館、1981年8月。
『日本キリスト教歴史大辞典』教文館、1988年

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