山岡信貴

山岡信貴（やまおか のぶたか）は、1965年に大阪市で生まれた日本の映画監督、プロデューサーです。監督として作品を発表する際は、山岡秀雄名義を用いることもあります。

来歴

同志社大学工学部を卒業後、映像の世界に進み、株式会社IMAGICAで劇映画のポストプロダクション業務に携わりました。この専門的な経験を積む傍ら、自身の創作活動として映画製作を開始します。

1993年、16ミリフィルムで初めての長編映画となる『PICKLED PUNK』を製作し、監督としてデビュー。この作品は、その斬新な表現が高く評価され、「ぴあフィルムフェスティバル」で審査員特別賞を受賞しました。さらに、ベルリン国際映画祭をはじめ、世界各地の多数の映画祭に正式招待されるなど、国内外で大きな注目を集め、監督としてのキャリアを確固たるものとしました。

『PICKLED PUNK』以降も、山岡氏は一貫して実験的なスタイルを追求し、コンスタントに新作を発表し続けています。その活動は映画製作に留まらず、映像分野全体に及び、極めて多岐にわたるのが特徴です。外国映画の買い付け、DVD商品の企画・開発、テレビ番組やゲームソフトのプロデュースなども手がけてきました。さらに、携帯電話キャリアと協力し、視覚が人間の心理状態に与える影響に関する研究や、関連するデバイスの開発に携わるなど、表現の媒体や技術的な可能性についても深く探求しています。

山岡氏の作品は、国際的にも高い評価を得ています。2013年には、アメリカ合衆国のロサンゼルスで開催された「Independent Film Makers Showcase」にて、彼のこれまでの全監督作品を網羅したレトロスペクティブ（回顧上映）が開催され、その芸術的な功績が称えられました。

フィルモグラフィ

山岡氏の主な監督・プロデュース作品は以下の通りです。

長編監督作品

『PICKLED PUNK』（1993年）
ベルリン国際映画祭他正式招待
『Zeki, Florian and Kelly!』（1997年）
マドリッド国際映画祭他正式招待
『PIG'S INFERNO』（2000年）
リオデジャネイロ国際映画祭他正式招待
『ソラノ』（2005年）
シンガポール国際映画祭他正式招待
『天然性侵略と模造愛』（2005年）
プサン国際映画祭他正式招待
『死なない子供、荒川修作』（2010年）
『縄文にハマる人々』（2018年）
『トゥレップ〜『海獣の子供』を探して〜』（2019年）

主な短編監督作品

『M.O.M pp』（1997年）
『Methods of mayhem』（1997年）
『Lovely lovely beautiful world!』（1997年）

インターネットムービー

『遊星メガドルチェ』（2009年）
Hollywood Reel Independent Film Festival 正式招待

主なプロデュース作品

TVシリーズ『ウルトラQ the dark fantasy』
浅野忠信監督作品『トーリ』
TVシリーズ『ネオコラ!』

CM

ぴあフィルムフェスティバル
双日株式会社
黒澤明記念ショートフィルムフェスティバル

まとめ

山岡信貴氏は、独自の実験精神に基づいた映画製作を核としつつ、ポストプロダクション、コンテンツ企画、さらには技術開発に至るまで、映像に関わる幅広い領域で才能を発揮してきた人物です。初監督作品で国際的な評価を確立して以来、常に新しい表現方法やメディアの可能性を追求し続けるその姿勢は、日本の映像文化における独自の存在感を放っています。

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