山岡光太郎

山岡光太郎について

山岡光太郎（やまおか みつたろう、1880年3月7日 - 1959年9月23日）は、日本におけるイスラームおよびユダヤ研究の先駆者として知られています。彼は、日本人として初めてメッカを巡礼したという記録があり、昭和期にイスラームの魅力を広めるために多くの著作を発表しました。彼のムスリム名はオマルで、多彩な経歴を持っています。

経歴と巡礼の旅

1904年、山岡は東京外国語学校のロシア語科を一期生として卒業します。その後、日露戦争では陸軍通訳官として従軍し、戦後は昌図軍政署で勤務します。このような経歴を経て、彼は1909年にイスラーム世界の情報を収集するためのメッカ巡礼の旅に出発。ボンベイでアブデュルレシト・イブラヒムと合流し、クルアーンの講義を受けた後、同年12月にメッカを巡礼しました。この時、彼はイブン・サウードに謁見し、その後メディナ、ダマスカス、エルサレム、カイロ、コンスタンティノープルなどの聖地を訪れます。

1910年に帰国し、1912年には『世界の神秘境 アラビヤ縦断記』を出版。この書籍は明治天皇や昭憲皇太后にも読まれるなど、大変注目を集めました。1911年には武昌蜂起に従軍し、1912年から1920年にかけては北アフリカや欧米を旅して回ります。帰国後の1921年には『回々教の神秘的威力』を発表しました。

海外滞在と晩年

1923年から1927年にかけて山岡はカイロに1年間、コンスタンティノープルに3年間滞在し、その後帰国します。彼の海外での経験は、彼の著作や研究に大きな影響を与えました。第二次世界大戦後、山岡は北京で終戦を迎えますが、1954年には大阪市の原生館で浮浪者として収容されます。その後、堺市の福生園に移り住みます。

1959年9月23日、老衰のため79歳で他界しました。彼の死は日本におけるイスラーム研究に多大な影響を与えたと言えるでしょう。

主な著作

山岡光太郎の著作には、以下のようなものがあります：

• - 『世界の神秘境 アラビヤ縦断記』（1912年）
• - 『特別任務』（1912年）
• - 『回々教の神秘的威力』（1921年）
• - 『外遊秘話』（1922年）
• - 『南米と中米の日本人』（1922年）
• - 『アジアの二大運動（回教徒とユダヤ人）』（1928年）
• - 『聖都から聖都へ（カイロ、エルサレム、コンスタンティノープル）』（1928年）
• - 『血と銭』（1936年）

これらの著作は、日本におけるイスラーム理解の礎を築き、山岡がいかにしてこの分野の重要な人物であったかを物語っています。彼の努力と情熱は、今でも多くの人々に影響を与え続けており、その業績は ISLAMIC CENTER OF JAPAN や関連機関によって継承されています。

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