山岡広司

愛知県出身の音楽プロデューサー、山岡広司（やまおか こうじ）氏は、1962年1月7日に生まれました。作曲、編曲、トラックメイキング、マニピュレーション、ミキシング、リミキシングと、サウンドクリエーションの幅広い分野で活動しています。

1980年代後半から音楽業界でのキャリアをスタートさせた山岡氏は、当初はデジタルサウンドメイキングの中心である打ち込みやマニピュレーターとして、多くのアーティストの楽曲制作に携わりました。緻密で高度な技術はすぐに注目を集め、多方面から制作依頼が舞い込むようになります。

1990年代に入ると、自身のユニット活動も展開します。1994年から1995年にかけては、バンド「u.l.t.」のメンバーとして数枚のシングルを発表。その後も、BLANKEY JET CITY、レピッシュ、WINO、ブリッジ、PEALOUT、ムーンライダーズ、CHAGE and ASKA、長渕剛、中島みゆき、岡本真夜、堂本剛、浜崎あゆみといった、ジャンルや世代を超えた著名アーティストたちの作品にマニピュレーターやエンジニアとして深く関わります。その並行して、アコーディオン奏者のcoba氏とのテクノユニット「cosmicgeneration」を結成し、独自の音楽性を追求しました。

氏の活動はレコーディングスタジオだけに留まらず、映像作品の世界にも及びます。手掛けた映画音楽には「座頭市」、「20世紀少年」、「てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜」、「つやのよる」、「ある愛に関わった」、「女たちの物語り」などがあります。中でも、北野武監督作品である映画「座頭市」では、その独特かつ革新的なサウンドデザイン、特にデジタルサウンドの構築が高く評価され、第27回日本アカデミー賞最優秀音楽賞の受賞に大きく貢献しました。

2000年代に入ってからも、精力的なユニット活動は続きます。2001年末からはpeppermints kiss cafeとして、2005年からはDJ Tanzawa氏とのプログレユニット「Total Confusion」を開始。Total Confusion名義でリリースされた楽曲「Sunset」は、UKの著名レーベルIntrinsic Recordsから発表され、John DigweedやHernan Cattaneoといった世界のトップDJたちにプレイされるなど、海外でも高い評価を獲得しました。2022年からはcoba氏、芽方羊氏と共に「KOTODAMA」としても活動しています。

現在は、J-POPのヒット作から、映画、ドラマ、CM、そしてゲーム音楽に至るまで、非常に多岐にわたる分野で活動を展開。プロデューサー、作曲・編曲家、トラックメイカー、マニピュレーター、ミキシング・エンジニア、リミキサーと、その役割も多岐にわたります。長年のキャリアで培われた確かな技術と、時代と共に進化し続ける音楽への探求心をもって、今日の音楽シーンを彩るサウンドを創り出しています。氏の幅広い音楽性は、様々な形でリスナーに届けられています。

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