山岡景隆

山岡 景隆（やまおか かげたか）の生涯

山岡景隆は、戦国時代から安土桃山時代にかけての日本の武将であり、近江国南部を中心とする勢多城（瀬田城）の領主として知られています。彼は大永5年（1525年）に山岡景之の子として生まれ、早い段階から六角氏や足利義輝に仕える国人としての地位を築きました。また、浪人だった山内一豊を家臣として迎え入れたことでも知られています。

永禄11年（1568年）、織田信長が足利義昭を奉じて上洛しようとした際、景隆は信長の降伏勧告を拒否しました。これは、彼が近江南部における国人の旗頭として抵抗し続ける考えを持っていたからです。しかし、翌年の1569年には織田軍の圧力を受け、大和国の柳生氏の領域に逃げ込みました。この時、松永久秀に人質を差し出して彼に所属することになりましたが、最終的には信長に降伏し、彼の家臣となりました。

織田家に仕官してから、景隆は佐久間信盛隊に配属され、信長に対する忠誠心をもって働きました。信長の家柄に配慮され、甲賀衆の指揮を任されていたことから、その信頼の厚さがうかがえます。元亀4年（1573年）から信長と足利義昭の戦いでは信長側に立ち、槇島城攻めなどで戦功を挙げました。天正3年（1575年）には信長とその嫡男・信忠が度々勢多に宿泊するなど、彼の信用は高まりました。したがって、彼は天正5年（1577年）の雑賀攻めや天正9年（1581年）の伊賀攻めにも参加しています。

しかし、天正10年（1582年）に発生した本能寺の変で信長が亡くなると、景隆は明智光秀からの勧誘を拒みました。彼は瀬田橋を破壊し、明智軍の進軍を阻止し、自身の一族は山中へ逃亡しました。この行動により、景隆は羽柴秀吉側に情報を提供し、明智軍は安土城に進軍する前に多くの犠牲を出し、時間も失ったとされています。

その後、景隆は織田氏を支持し続ける姿勢を保ちましたが、台頭してきた羽柴秀吉に対抗する立場を取りました。しかし、天正11年（1583年）の賤ヶ岳の戦いで柴田勝家が討たれると、景隆は秀吉に降伏せざるを得なくなります。彼は助命されましたが、弟の景佐と共に所領を奪われ、その後は甲賀に隠遁することになりました。

山岡景隆は天正13年（1585年）正月14日に61歳で亡くなりました。彼の生涯は、武将としての忠誠、戦いでの功績、そして時代の波に翻弄された人生を示しています。

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