山崎栄次郎

山崎栄次郎：墨田区の発展に尽力した区長の生涯

山崎栄次郎（1911年4月17日 - 1987年2月3日）は、昭和期の日本の政治家であり、東京都墨田区長を3期にわたり務めました。彼の甥は、後に墨田区長を4期務めた山崎昇です。山崎栄次郎は、墨田区の発展に大きく貢献し、特に隅田川花火大会の復活や両国国技館の建設に尽力したことで知られています。

生い立ちと初期の経歴

山崎栄次郎は、富山県西礪波郡西野尻村（現在の南砺市）で生まれました。小学校卒業後、東礪波郡福野町（現在の南砺市）役場に就職。その後、上京し、目白商業学校（現在の目白研心中学校・高等学校）で学びました。卒業後は東京市向島区役所に入り、地方公務員としてのキャリアをスタートさせます。

戦時中には召集され、ソ連軍に抑留されるという苦難も経験しました。しかし、戦後、無事に帰国し、墨田区役所に復帰。区政に再び携わることになります。

墨田区政への貢献

1963年（昭和38年）には、墨田区助役に就任。長年の行政経験を生かし、区政を支えました。そして、1974年（昭和49年）に墨田区長に就任します。

翌1975年（昭和50年）には、区長公選制が復活し、墨田区長選挙に立候補。見事当選を果たし、その後3期にわたり区長を務めました。

区長在任中には、数々の重要な政策を推進しました。特に、1978年（昭和53年）に隅田川花火大会を復活させたことは、区民にとって大きな喜びであり、現在も墨田区の夏の風物詩として親しまれています。また、1979年（昭和54年）には、「不燃建築物建築助成制度」を発足させ、防災対策にも力を入れました。この制度は、地震などの災害に強い街づくりを目指すもので、墨田区の安全性を高める上で重要な役割を果たしました。

さらに、山崎栄次郎は、蔵前（台東区）にあった国技館を相撲の地である両国に建設することを提案し、その実現に向けて奔走しました。関係各所との交渉や調整を重ね、ついに1985年（昭和60年）1月に両国国技館が完成。相撲の聖地としての両国の地位を確立しました。この功績は、山崎栄次郎の名前を広く知らしめることとなりました。

その死と遺産

1987年（昭和62年）1月、山崎栄次郎は健康問題を理由に次期区長選挙への不出馬を表明しました。そして、同年2月3日、心不全のため死去。75歳でした。彼の死は、多くの区民に惜しまれました。

山崎栄次郎の死後も、彼の功績は語り継がれています。隅田川花火大会は、墨田区のシンボルとして、毎年多くの人々を魅了し続けています。また、不燃建築物建築助成制度は、墨田区の防災対策の基礎となり、区民の安全を守り続けています。そして、両国国技館は、相撲の聖地として、国内外から多くのファンを集めています。

山崎栄次郎は、墨田区の発展に大きく貢献した政治家であり、彼の遺産は、これからも墨田区の歴史の中で輝き続けるでしょう。

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