山崎為徳

山崎 為徳の生涯と業績

山崎為徳（やまざきためのり、1857年3月28日 - 1881年11月19日）は、日本の明治時代初期に活躍した宗教家であり神学者です。彼は仙台藩水沢城下にて、武士の家に生まれました。幼少期には周作という名で呼ばれ、途中から「為徳」と名乗るようになりました。

彼は、藩校である立生館（りゅうせいかん）や熊本洋学校などで学び、優秀な成績を収めました。明治8年、彼は東京大学の前身である開成学校に入学しましたが、その後、新島襄が設立した同志社英学校に転校しました。この選択は彼の人生において非常に重要な転機となります。銀行システムの洋式化が進んでいた時代背景の中で、西洋の教育を積極的に学ぶ姿勢を持ち続けました。

同志社英学校では、新島の教育方針に賛同し、在学中から後進の教育にも取り組みました。特に、明治12年に帰郷した際、地元の青年たちにプロテスタントの教えを説き、影響を与えました。彼の友人であり、小学校で教員をしていた片桐清治もその一人で、山崎の影響を受けて1880年に同志社に入学しました。

山崎為徳の主な著作である『天地大原因論』は、明治13年に発表され、彼の思想や宗教に対する深い理解を示す作品として評価されています。彼は同志社英学校の校務や講演会に参加し、精力的に活動を行いましたが、残念ながら健康を害し、明治14年に肺結核のため24歳という若さでこの世を去りました。

彼の墓所は京都市左京区にある若王子同志社墓地にあります。さらに、故郷の水沢では大林寺の山崎家の墓地に遺髪が納められています。夭折したにもかかわらず、彼の業績や影響は後の世に大きな影響を与え続けています。特に、同志社における教育活動は多くの学生たちにやる気を引き起こし、キリスト教思想と教育の融合を進めていきました。

著作

山崎為徳は、いくつかの著作を残しています。
1. カピテーンゼンス 著、山崎為徳・松村元児・市原武正 訳『生産初歩』岡田屋嘉七、1873年6月。
2. カピテーンヂヘーンス『改正 生産初歩』山崎為徳校訂、活版舎書肆、1873年6月。
3. エルエル・ゼーンス 著、山崎為徳・松村元児・市原武正 訳『生産初歩』（復刻版）九州大学農学部農業経済学教室、1873年6月。
4. 山崎為徳、デビス『天地大原因論』今村謙吉、1881年10月。

これらの著作は、山崎為徳が目指した教育の普及と新たな思想の導入を示す重要な資料となっています。彼の短い生涯においても、大きな影響を与えた彼の業績は、後の宗教的な活動や教育界においても引き継がれています。彼の足跡は、明治時代の日本における思想の進展を支える一翼を担っていたと言えるでしょう。

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