山崎覚太郎

山崎覚太郎について

山崎覚太郎（やまざき かくたろう、1899年6月29日 - 1984年3月1日）は、日本を代表する漆芸家であり、富山県に生まれました。彼はその豊かな感性と技術を駆使して、日本の伝統的な漆芸の枠を超えた革新的な作品を制作しました。

略歴

1924年に東京美術学校の漆工科を卒業した彼は、翌年のパリ万国博覧会において金賞を受賞し、その才能を国際的に証明しました。1928年からは東京美術学校で助教授として教鞭を執り、その後も東京芸術大学の教授として多くの学生に影響を与えました。

彼は文展や日展の審査員を務め、多くの芸術分野に関与しました。その経歴には、1954年に受賞した日本芸術院賞、そして帝展での特選受賞や、1957年に日本芸術院の会員に任命されるなどの輝かしい成果が含まれます。

受賞と栄典

彼の功績は多くの賞に彩られており、1925年のパリ万国博覧会での金賞を皮切りに、1966年には文化功労者、1970年には勲二等瑞宝章、そして1977年には勲二等旭日重光章を受章しました。これらの受賞は彼の卓越した技術と芸術への貢献を示すものです。

業績

山崎は、豊富な色漆を用いたシンプルで爽やかなデザインと、斬新な構図を兼ね備えた作品を創作しました。彼は蒔絵の伝統的な技法に縛られず、絵画のような表現を追求し、漆芸の新しい可能性を探りました。また、彼は1954年には現代工芸美術家協会を設立し、その委員長を務めることで、現代工芸の発展に貢献しました。

著書

また、山崎は執筆活動も行っており、1937年には『海外工芸の新傾向』を出版。1971年には自身の作品集『山崎覚太郎作品集』を光琳社出版から発行しています。彼の著作は、彼の理念や作品の背景を知るための重要な資料として位置づけられています。

最期

1984年の3月1日、東京都杉並区の病院にて心不全によりこの世を去りました。彼の死は、日本の漆芸界にとって大きな損失であり、多くの愛好者や後進の芸術家に影響を与え続けています。彼の作品は、現在でも多くの人々に感銘を与え、漆芸の世界に新たな視点をもたらしています。

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