山本おさむ

山本 おさむ（やまもと おさむ）

日本の漫画家である山本おさむは、幅広いテーマを扱った作品で知られています。自身の人生の経験をもとに、聴覚障害や社会問題を真摯に描き出し、多くの読者の共感を呼んでいます。長崎県出身で、血液型はA型。長崎県立大村工業高校を卒業後、1973年に上京し、漫画の修業を始めました。

彼の漫画家としてのキャリアは、1976年に巴里夫のアシスタントを勤めたことから始まりました。その後、尾瀬あきらのアシスタントを経て、1980年には『漫画アクション』（双葉社）で本名の山本 収名義でデビューしました。初期の作品は青春漫画が多く、特に『ぼくたちの疾走』は評価を受けました。

その後、彼は『遥かなる甲子園』をはじめ、聴覚障害者に焦点を当てた作品に取り組むようになります。この作品は、聾学校の野球部の子供たちが主人公で、真剣にスポーツに打ち込む姿が描かれています。さらに、聾教育の歴史を描いた『わが指のオーケストラ』も注目を浴びました。これらの作品を通じて、障害児教育に対する理解を深めることを目指しました。

1998年にはエッセイ『どんぐりの家のスケッチ - 漫画で障害者を描く』を発表し、その意図と取り組みについて詳しく語っています。同作品は、1995年度の日本[[漫画家協会賞]]優秀賞を受賞し、翌年には映画化もされています。映画化の際には、自ら脚本を手掛け、総監督としても活躍しました。

山本おさむの人生の中で、愛する妻である久木田律子を亡くした経験が大きな影響を与えています。彼女が与えたインスピレーションから、夭折した棋士村山聖に基づいた『聖 -天才・羽生が恐れた男-』を描くことになりました。この作品は、彼女との思い出や彼女が同じ病を患っていたことから生まれたものでもあります。

また、山本は日本共産党機関紙『しんぶん赤旗 日曜版』でエッセイ漫画『今日もいい天気』を連載し、故郷福島県天栄村での田舎生活をコミカルに描いて多くの支持を得ました。この連載は、震災後に自身の自主避難の経験も反映され、読者に強いメッセージを届けています。

彼の作品は、多くの賞を受賞しており、名実ともに日本の漫画界で重要な存在です。今後も彼の活動に注目が集まるでしょう。山本おさむは「九条の会・さいたま」の呼びかけ人としても活動しており、社会問題への意識を持ち続けています。

代表作品

• - ぼくたちの疾走（1981年 - 1985年）
• - 遥かなる甲子園（1988年 - 1990年）
• - どんぐりの家（1993年 - 1997年）
• - 聖 -天才・羽生が恐れた男-（2000年 - 2002年）
• - 今日もいい天気（2008年 - 2009年、2012年、2017年）

山本おさむのストーリーは、彼自身の経験と社会へのメッセージを巧みに織り交ぜた作品が数多く、これからも多くの読者に感動を与え続けることでしょう。

もう一度検索