山本徳郁

山本“KID”徳郁

山本“KID”徳郁（やまもと“キッド”のりふみ）は、1977年3月15日に神奈川県川崎市で生まれ、2018年9月18日に41歳で逝去した、日本の著名な総合格闘家です。彼の本名は岡部徳郁で、レスリング一家に育ちました。父親の山本郁榮はオリンピック選手であり、姉妹もレスリングの世界選手権で活躍しました。山本は、自身のニックネームである「神の子」と特異な個性をもって、ファンからも広く親しまれました。

学歴とキャリアの始まり

彼は小学時代からレスリングに取り組み、桐蔭学園高校を中退後にアメリカへの留学を経て、山梨学院大学法学部を卒業しました。大学時代には全日本学生レスリング選手権での優勝経験もありますが、オリンピック出場の夢は1999年に全日本大会で準優勝に終わりました。

その後、総合格闘技に転向し、山本は自らの技術を磨くために多くの努力を重ね、2000年にはアマチュア修斗の大会でデビュー。やがて2001年にはプロデビューを果たし、修斗で瞬く間に名を馳せていきます。

格闘技における成功

山本“KID”徳郁のキャリアの中で、2005年にHERO'Sのミドル級世界王者となる快挙を達成しました。彼はその間、K-1やDREAMといったさまざまな大会にも参戦し、数々の名勝負を繰り広げました。特に、K-1 WORLD MAX 2004では圧倒的なパンチ力とスピードで注目を集めました。また、彼の試合スタイルは、ボクシングの影響を受け、特に「ナジーム・ハメド」を参考にしているとも話しています。

一方で、技術やスタイルだけでなく、山本は自らのブランドやジム「KRAZY BEE」を立ち上げ、若手選手の育成にも力を注いでいました。

私生活や信念

また、山本は動物愛護にも熱心で、自らが育てた犬「カッシー」を家族の一員として迎え入れました。食に関してもこだわりが強く、現役時代にはヴィーガンの食生活を実践したことがあります。しかし、試合前には肉を食べることも公言しており、バランスを大切にしていたようです。さらに彼は、全身にタトゥーを彫り、それぞれに意味があると語ることから、個性を大切にしていたことが窺えます。

家族との関係

私生活では、2004年にモデルのMALIAと結婚し、二人の子供が誕生するも、2009年には離婚。再婚後、さらに二人の子供を授かりました。家族や親族との絆は強く、特に甥である山本アーセンの才能を大変誇りに思っていました。

逝去と遺産

彼が生前告白していたように、2016年には胃がんが発覚し、以後は治療と闘病生活を送りました。2018年には最期をグアムで過ごし、家族と共に穏やかな余生を過ごしました。山本の死は多くのファンに衝撃を与え、彼の偉大な業績は今後も格闘技界に色濃く残ることでしょう。

総じて、山本“KID”徳郁は、総合格闘家のみならず、社会貢献や動物愛護にも情熱を持った、印象深い人物でした。彼の人生からは、多くの人々に勇気やインスピレーションを与える力があったと言えます。

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