山本晴三

山本 晴三 - 球界に捧げたキャリア

1948年4月6日、大阪府枚方市に生を受けた山本晴三氏は、プロ野球選手、そして長年にわたり阪神タイガースのコーチ、球団職員として球界に貢献してきた人物です。

兵庫県の小野高校を卒業後、大阪商業大学に進学し、学生野球の世界へ。関西六大学野球リーグで白球を追いましたが、この期間にチームは優勝に手が届かず、苦しい下部リーグ降格も経験するなど、順風満帆な道のりではありませんでした。

大学でのプレーを経て、1970年にプロ野球の世界へ足を踏み入れます。この時、ドラフト外という形でパ・リーグの南海ホークス（現在の福岡ソフトバンクホークス）の一員となりました。プロ入り後の背番号は「58」でした。プロとして迎えた1年目の1971年には早くも一軍の舞台を経験。そして、翌1972年には夏場から外野のレギュラーとして3試合で先発出場を果たしました。若手選手の登竜門とされるジュニアオールスターにもこの年に選出されるなど、期待の若手として注目を集めます。

しかし、1973年のシーズン終了後、彼は自由契約となります。新たな活躍の場を求めた先は、同じ関西を本拠地とするセ・リーグの阪神タイガースでした。阪神でも引き続き背番号「58」を背負います。

阪神に移籍して迎えた1974年シーズン、主に左翼手として6試合で先発メンバーに名を連ね、打順では3試合で二番を任されるなど、出場機会を得ました。しかし、残念ながら打撃面で目立った成績を残すには至らず、この年限りでユニフォームを脱ぎ、短いながらもプロ野球選手としての現役生活にピリオストを打ちました。

現役引退後も、山本氏は野球の世界から離れることはありませんでした。まず、チームのスコアラーとして、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるようデータ面から支える裏方の仕事に従事します。その後、指導者としての道を本格的に歩むため、更なる知識を深めようと大阪体育大学で聴講生として学びを深めました。

そして、1982年からは阪神タイガースのトレーニングコーチとして、選手の肉体的な強化とコンディショニングを担う専門職に就任します。この間、背番号は「90」（1982年 - 1983年）、「89」（1984年 - 1987年）、「78」（1988年）、「91」（1989年）、「82」（1990年 - 1996年）と、数度の変更がありました。トレーニングコーチとして、選手の体作りや怪我の予防、リハビリなど、チームの屋台骨を支える重要な役割を1996年まで長きにわたり務めました。

1997年からは現場指導の第一線から離れ、球団のフロントスタッフとして運営業務に関わりました。そして現在は、阪神タイガースの若手選手たちが共同生活を送る育成寮「虎風荘」において、選手たちの成長を間近で見守り、生活面を支える寮長として尽力されています。選手として、そして指導者、球団職員として、半世紀近くにわたり関西のプロ野球に貢献し続けている人物です。

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