山本正明 (工学)

山本 正明（やまもと まさあき）

1949年に長崎県に生まれた日本の機械工学者。大阪工業大学工学部機械工学科において長年にわたり教鞭を執り、流体機械、流体工学、数値流体力学（CFD）、そして航空機械工学といった幅広い分野で研究活動を展開した。九州大学大学院工学研究科にて学び、後に同大学より工学博士の学位を取得している。

経歴

九州大学大学院工学研究科博士課程を単位取得退学後、研究者の道を歩み始める。1983年には大阪工業大学中央研究所の研究員として着任。大学附属の研究機関での活動を経て、教育・研究の場を工学部に移すこととなる。1992年には大阪工業大学工学部機械工学科の助教授に昇任。長年にわたる教育経験と研究実績が評価され、2007年には同学科の准教授に就任した。大阪工業大学においては、機械工学の発展と次世代の研究者・技術者育成に尽力し、30年以上にわたる教育・研究活動の末、2015年に同大学を退職した。

研究・教育への貢献

山本正明氏は、大阪工業大学工学部（機械系学科）において、流体機械、数値流体力学、航空機械工学といった専門分野を中心に、長きにわたり教育と研究指導に携わった。特に、流体現象の複雑な挙動や数値解析手法に関する研究を推進し、同学の当該分野におけるプレゼンス向上に貢献した。基礎的な流体力学から応用的な航空機械工学に至るまで、幅広い知識と経験に基づいた指導は、多くの学生や若手研究者に影響を与えた。

所属学会

研究活動と並行して、国内外の学会活動にも積極的に参加した。主な所属学会として、日本機械学会、日本流体力学会、日本航空宇宙学会、日本物理学会などが挙げられ、各学会における研究発表や交流を通じて、自身の研究成果を発信し、学術コミュニティの発展にも寄与した。

著書

専門分野に関する著書も手掛けており、学術書の執筆を通じて、後進の学びを支援した。共著として、『機械工学入門シリーズ 流体の力学』（朝倉書店、2001年刊行）があり、流体力学の基礎を学ぶための重要なテキストとして利用されている。

主な研究テーマ

山本氏の研究は、流体現象の本質的な理解から、実際の工学的応用まで多岐にわたる。特に注力した研究テーマとしては、以下のようなものが挙げられる。

流れのカオスおよび分岐現象に関する基礎的な探求
層流境界層における逆問題の解法開発（航空機械工学への応用を見据えた積分法による近似計算手法の研究）
複雑な管路における流れの特性に関する研究（長方形断面を持つら旋管内の周期的な流れの解析など）
比較的遅い流れ（低レイノルズ数）における流れのパターンの変化に関する研究（正方形断面を持つ直管内での分岐現象の数値流体力学的なアプローチ）
* 時間的に変化する流れの数値シミュレーション（曲がりくねった流路内での完全に発達した非定常流れに関する数値実験）

これらの研究を通じて、流体工学および数値流体力学の発展に貢献し、複雑な流れ現象の解明に寄与した。

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