山本浩貴 (美術史学者)

山本浩貴（やまもと ひろき、1986年 - ）は、日本の美術・文化研究者、美術批評家、そしてアーティストとして、幅広い分野で活躍しています。その活動は、単に美術作品の批評や研究に留まらず、文化、社会、メディアといった多角的な視点を取り入れたもので、現代社会におけるアートの役割や可能性を深く考察しています。

学歴と研究歴

千葉県に生まれた山本氏は、一橋大学社会学部を卒業後、ロンドン芸術大学に進学し、修士号と博士号を取得しました。ロンドン芸術大学では、トランスナショナル・アート研究センターの博士研究員として2013年から2018年まで研究活動に従事。この時期に、国境を越えたアートの交流や、グローバル化がアートに与える影響について、深く考察しました。その後も、韓国の光州にあるアジアカルチャーセンターの研究員、香港理工大学のポストドクトラル・フェローなどを歴任し、アジア地域における文化研究にも貢献しました。

さらに、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科の助教、金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科芸術学専攻の講師を経て、2024年からは実践女子大学文学部美学美術史学科の准教授として、後進の育成にも力を入れています。

主な著書

山本氏の著作は、現代美術史研究において重要な位置を占めています。特に、以下の2冊は、その研究成果をまとめた代表的なものです。

『トランスナショナルなアジアにおけるメディアと文化 発散と収束』（ラトガース大学出版、2020年）：グローバル化が進む現代において、アジアのメディアや文化がどのように変化し、交錯しているのかを分析した研究書です。トランスナショナルな視点から、文化の多様性と複雑さを考察しています。
『現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル』（中央公論新社、2019年）：欧米と日本、そしてトランスナショナルな視点から、現代美術の歴史を概観した書籍です。美術史の文脈だけでなく、社会、文化との関連性を多角的に考察しており、現代美術を理解するための重要な一冊となっています。

これらの著書は、国内外の美術研究者や学生から広く支持されており、現代美術研究の重要な参考文献となっています。

その他活動

研究活動や著書の執筆だけでなく、山本氏はネット番組にも出演し、美術に関する解説や批評を行っています。YouTubeの「ポリタスTV」では、現代美術の動向や社会との関わりについて分かりやすく解説しており、美術への関心を広める活動にも貢献しています。

まとめ

山本浩貴氏は、美術・文化研究者、美術批評家、アーティストとして、幅広い分野で才能を発揮しています。その学術的な研究は、現代美術史や文化研究において重要な貢献を果たしており、また、一般の人々に向けて美術の魅力を発信する活動も行っています。多角的な視点と深い洞察力を持って、現代美術の可能性を追求する山本氏の今後の活躍に期待が高まります。

出典

『現代美術史』／山本浩貴インタビュー 中公新書ホームページ
教員紹介 山本浩貴 実践女子大学ホームページ

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