山本鈴美香

山本鈴美香：『エースをねらえ!』を生んだ伝説の漫画家

山本鈴美香（やまもと すみか）は、1949年6月17日生まれの日本の漫画家です。彼女の代表作である『エースをねらえ!』は、1970年代に少女漫画界に旋風を巻き起こし、アニメ化、テレビドラマ化もされるなど、社会現象とも言えるほどの人気を博しました。

生い立ちとデビュー

山本鈴美香は山梨県塩山市（現甲州市）で生まれ、その後埼玉県浦和市（現さいたま市）で育ちました。埼玉県立浦和西高等学校を卒業後、武蔵野美術短期大学商業デザイン科に進学し、1970年に卒業しました。漫画家としてのデビューは1971年、『その一言がいえなくて…』でした。

『エースをねらえ!』の大ヒット

1973年、『週刊マーガレット』で連載を開始した『エースをねらえ!』は、テニスをテーマにしたスポ根漫画であり、その熱いストーリーとドラマチックな展開で、少女漫画の読者層だけでなく、男性読者をも魅了しました。主人公・岡ひろみがテニスを通じて成長していく姿は、多くの人々に感動と勇気を与え、山本鈴美香は一躍人気漫画家となりました。1980年まで長期連載され、数度にわたるアニメ化、テレビドラマ化も実現しています。

その他の作品

『エースをねらえ!』以外にも、山本鈴美香は様々なジャンルの作品を手がけています。16世紀のヨーロッパを舞台にした長編『7つの黄金郷』などがあります。

『恋しちゃおかナ?』
『キッスにご用心!』
『ひっくりかえったおもちゃ箱』
『H2O!前代未聞!!』
『白蘭青風』（未完）
『愛の黄金率』（未完）

宗教活動への転身と現在

1981年頃から、山本鈴美香は家族と共に塩山市に移住し、「神山会」という新興宗教の巫女となりました。以降は、体調が不安定なこともあり、メディアへの露出や執筆活動を控え、宗教活動や療養を中心とした生活を送っています。一時は神山会の教祖を務めていましたが、神山会のホームページは消滅しており、近年における活動状況は不明です。さらに、2020年の時点で「神山会」は宗教法人としての登録を抹消されており、既に解散・消滅している可能性も指摘されています。

『エースをねらえ!』という不朽の名作を生み出した山本鈴美香。その後の人生は、漫画家としての華々しいキャリアとは対照的な、宗教家としての道でした。彼女の足跡は、多くの人々に様々な思いを抱かせます。

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