塩山市

塩山市の概要

塩山市（えんざんし）は、山梨県北東部にかつてあった市で、現在は甲州市の一部として知られています。その名の由来は、地域の南西にある「塩の山」にあるとされ、古くから歌枕としての地位を持っていました。

地理

塩山市は南北に長い形状をしており、国道411号がこの市を南北に貫通しています。市の南部には笛吹川や重川が流れ、富士川水系に属していますが、国道411号の柳沢峠より北側は多摩川の流域となります。市街地は南部にあり、鉄道駅や市役所などが密集しています。

隣接自治体には、北側に埼玉県秩父市、西側に山梨市、南側に勝沼町と大和村、そして東側には大月[[市]]や北都留郡の小菅村、丹波山村があります。

歴史

塩山市の歴史は古代に遡ることができ、縄文時代の遺跡が多数発見されています。特に殿林遺跡から出土した深鉢形土器は重要文化財に指定されています。弥生時代以降、集落は山間部から扇状の地域に広がり、古墳時代には周溝墓群が築かれました。

平安時代には、山梨郡に属し大木戸遺跡などの集落跡が発見されており、古代豪族の三枝氏がこの地域に影響を及ぼしました。中世には甲府盆地で荘園が成立し、恵林寺などの古刹が建立されました。

近世には、塩山市の地域は甲府藩の直接支配下にあり、江戸時代初期から中期にかけて、農業の中心地として発展しました。養蚕や稲作などが行われ、特に萩原煙草の栽培が盛んな地域でした。

近現代

明治時代になると、養蚕業が振興され、1903年に中央本線の塩山駅が開設され、商業的にも発展を遂げました。しかし、大水害や農民闘争などの厳しい状況もありました。戦後には養蚕業が衰退し、果樹栽培がこよなく行われ、観光業へとシフトしました。

行政区画の変遷

塩山市は何度かの合併と行政区画の変更を経て、最終的には2005年に勝沼町、大和村と合併し、甲州市として新たなスタートを切りました。これにより塩山市という市は廃止されました。

名所と観光

塩山市には多くの観光名所が存在します。大菩薩峠や裂石温泉、恵林寺は訪れる人々に人気があります。また、自然環境や歴史的な資源を活用した観光が発展しています。特に一之瀬高橋の春駒などの民俗芸能は地域の独自性を感じさせます。

このように塩山市は、多彩な歴史と豊かな自然を持つ地域として、地域観光や農業の発展を遂げてきました。

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